auの料金施策は「ピタット/フラットプラン」では不十分? 株主から指摘が相次ぐ(2/2 ページ)
KDDIが6月20日、第34期定時株主総会を開催。今回は、高橋誠氏が社長に就任してから初めての株主総会ということもあり、高橋氏が目指すKDDIのビジョンが改めて語られた。株主からの質問は、料金施策の不満が多かった。
“おみやげ”なぜ廃止に? 3Gサービスの終了はいつ?
―― ソラコムを買収した成果について、進捗(しんちょく)や数字があれば、教えてほしい。
高橋氏 ソラコムはIoTで非常に実績のあるベンチャー企業。これからの5G時代で、グループ企業として頼りにしている。ソラコム回線の利用実績は1万社を超えている。KDDIに移っていただくことで、企業も拡大していける。優秀な技術者が集まっているので、今後も事業発展を目指したい。
―― 今年(2018年)は(株主への)おみやげがない。株主は欲しい人もいると思うが。
村本氏 株主間の公平性の問題や、世間のすう勢を踏まえて判断した。まず還元としては、業績を上げて配当で報いていきたい。ここ数年、株主優待にも力を入れて充実化を図ってきた。おかげさまで10万人以上、個人株主の方が増加した。今後も株主さまの期待に応えられるよう検討したい。
―― スマホをよく使う中で、古い機種になるほど(ストレージの)容量がついていけなくなり、電池の持ちが悪くなることあるが、対策は?
石川氏 アプリやサービスが高度化したので、メモリ(ストレージ)はたくさん必要になる。非常に高速の通信をする関係で、電池の容量も大きなものが必要になる。メモリについては、機種によってはSDメモリカードが使える。また、クラウドにデータを上げていただくサービスをご用意している。メモリと電池容量は、その時点でなるべく高機能のものを採用している。お客さまの要望にお応えできるよう考えていきたい。
―― 3GのEZwebガラケーの利用者は約800万人と推定している。3Gガラケーの修理対応期限が、K012が2022年6月末、mamorino 3が2023年7月末となっている。ここから逆算して、EZwebが終了するのは2025年と考えてよろしいか。
石川氏 修理の期日は4年間だが、第3世代サービスをいつ終了するかは現時点では決めていない。当然、そのサービス終了時にはご不自由を感じないよう、万全の体制で迎えるようにしたい。
―― 800万人のガラケーが(3Gの停波によって)なくなったときに、新規参入されるMNO(楽天)が、彼らを狙ったサービスで顧客を奪うことが予想される。その対策は?
高橋氏 MVNOの料金水準への対抗策は、ピタットプランとフラットプランで打っている。楽天が入ってくるとはいえ、投資額もトータル6000億円程度と聞いている。どれだけ完璧な状態で入ってくるかは計り知れないが、しっかりauファンを増やし、われわれから離れられないようになるよう準備したい。
―― コマースサービスの1つとして、対面のauショップが強みと言っているが、実際auショップを利用して、電話での案内とショップでの案内に食い違いがあることが多い。機種変更したときに、ショップでも案内いただけず、カスタマーサービスに電話をしたら、ショップに聞いてほしいと言われ、1日3回ショップに行くことになった。KDDI本体とショップへの教育に対する取り組みはどうしているか。
石川氏 不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。ご指摘のことがないよう、CS(カスタマーサポート)と店舗の情報連携に取り組んでいるが、それが十分に機能していなかった。もう一度オペレーションを見直したい。標準オペレーションマニュアルは店舗ごとにあり、スタッフは習熟する前提にある。定期的に監査もして、お客さまの声、アンケートも頂戴していて、株主さまのような不都合を感じたお客さまについては、お電話でおわびをして詳細な改善策を説明している。しっかり反省して、取り組んでいきたい
―― イーオンを子会社にしたが、イーオンをどのようにしたいのか。
石川氏 イーオンの教師は非常に優秀で、教材や学習メソッドは高い評価をいただいている。これから、デジタル化によってさらに学習の環境をよくできると考えている。ビッグデータの分析技術を使い、生徒さん1人1人に合った学習を実現できる。高度なデバイスの技術を使い、どこでも学習できる環境を整備して、日本の方々の英語がより上手になって、グローバル化に役に立てていただければと考えている。
―― 株主優待として、レッスン料を割引する制度はないか。
石川氏 まだそこまでは検討できていないが、ご意見を頂戴したので、検討してまいりたい。
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