au「4年縛り」の条件、「2年縛り」の更新月を見直し KDDI高橋社長が明言(2/2 ページ)
KDDIは8月1日、2019年度第1四半期の決算説明会を開催。「4年縛り」問題について、高橋誠社長は条件を変更する方針であることを明言した。2年縛りの更新月も見直す。
「ビデオパス」「うたパス」「ブックパス」をオープン化
通信料収入とは対照的に、目覚ましい伸びを見せたのが、「au経済圏」と称される「au Wallet」、コンテンツサービス、Eコマースなどのサービス群だ。流通総額で5610億円(前年同期比比38.2%増)、売上高で1440億円(同21%増)と2桁成長となっている。
その一方で8月1日、auコンテンツサービス「ビデオパス」「うたパス」「ブックパス」がauユーザー以外も使える“オープン化”を発表した。
他キャリアのユーザーも自社サービスを使えるオープン化は、競合のNTTドコモが積極的に推進している。高橋社長はドコモとの戦略の違いについて「ドコモと同じようにはしない。今までと同じように、auのお客さまにとって使いやすい環境を作っていく。一方で、“au”のブランドを冠しないサービスで、au以外のユーザーさんに使っていただけるようなものも徐々に増やしていきたい」と説明。「au ID」というアカウントそのものをオープン化する意図はないと示した。
「QRコード決済」を導入する狙い
2018年4月、高橋氏の社長就任会見の際に明らかにしされた「QRコード決済」の導入。質疑応答では、その意図について紹介された。
auのQRコード決済は、アプリでQRコードをかざすことで支払いという内容。ドコモの「d払い」やLINEの「LINE Pay」のように、年初から他社の参入が相次いでいる領域だ。高橋氏の説明によると、auではau経済圏活性化のためのツールの1つという位置付けで、QRコード決済を活用するという。つまり、シーンに応じてau WALLET プリペイドカードなどと使い分けできるようにすることで、auの関連サービスの利用を促す狙いだ。
そのため、「ビジネスモデルは加盟店手数料だけを見て構築するわけではなく、au経済圏全体を見ながら検討していく」(高橋氏)という。加盟店手数料の大胆な値下げによって導入を一気に拡大する戦略を取る可能性も考えられるだろう。
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