新「iPad Pro」先行レビュー 前モデルから乗り換えたくなるほどのモデルチェンジ(1/3 ページ)
Liquid Retinaを採用し、前面ほぼ全体がディスプレイになった新しい「iPad Pro」。ホームボタンを廃したデザインになり、Apple PencilやSmart Keyboardも刷新された。短期間だが、実機を使ったレビューをお届けしたい。
Liquid Retinaを採用し、前面ほぼ全体がディスプレイになった新しい「iPad Pro」が、11月7日に発売される。ホームボタンを廃したデザインは、iPad史上最大級のモデルチェンジだ。Apple PencilやSmart Keyboardも刷新され、過去のiPadとはもはや別物の感もある。この新しいiPad Proの11型版を、短期間ではあるが実際に試用してみることができた。ここでは、その使い勝手をレビューしていきたい。
デザインを全面刷新
試用した11型版は、10.5型版iPad Proをアップデートしたモデルといえる。ホームボタンを取り除いたことで表示領域が広がり、ディスプレイサイズが約0.5型大きくなったというわけだ。これまでのiPadはホームボタンを置く関係で上下に太いベゼルを設けなければならなかったが、新しいiPad Proではホームボタンがなくなった影響でベゼルが狭くなり、ほぼ全面がディスプレイと呼べる仕上がりになっている。
当然、ベゼルやホームボタンは、ディスプレイを見る際のノイズになる。11型版のiPad Proでは、視界の端にチラッと写っていたベゼルがなくなり、その分だけ没入感が上がった格好だ。映像を消費するためのデバイスとして、ディスプレイの表示領域や占有率を高めたのは正解だと感じた。
本体側面がアルミを垂直に切ったような形状になり、側面から背面にかけてカーブしていたこれまでのiPad Proとは、デザインも大きく変わった。新しいiPad Proの方がよりシャープな見た目になり、角が丸いLiquid Reinaディスプレイと相まって、未来的な印象を受ける。これを見た後だと、過去のiPadのデザインが、どこか古臭く感じられてしまう。
なお、上下のベゼルはスリムになっているが、左右に関しては、10.5型版よりむしろベゼルが厚くなっている。四方が均一になった新しいiPad Proの方が、デザイン的には洗練されて見えるうえに、この程度の差であれば特に気にならないかもしれないが、単純に四方全てが狭額縁になったわけではない点には注意したい。
ホームボタンとそのベゼルがなくなった分をディスプレイの拡大に充当したため、本体サイズは10.5型版とほぼ同等。筆者が所有している10.5型版用のスリーブケースにも、きちんと収まる。Appleのサイトでは互換性に記載はないが、単体+Apple Pencilを持ち運びたいときには、オススメできるアクセサリーだ。一方で12.9型版は、サイズ自体が小さくなったこともあり、スリーブケースが使えなくなっている。純正アクセサリーも出ないため、単体で持ち運ぶときは別の運用方法を考える必要がありそうだ。
Face IDはiPhoneよりも使いやすい印象
ホームボタンと同時に、Touch IDも取り除かれたが、新しいiPad ProはiPhone Xシリーズと同様、Face IDに対応している。スムーズさやセキュリティの高さは、iPhone Xシリーズと同レベル。むしろサイズが大きい分、持つ位置がiPhoneよりも顔から離れやすいこともあって、ロック解除に失敗するケースが少ないようにも感じた。iPad Proとの相性は非常にいいのではないだろうか。
特にそう感じたのが、Smart Keyboard Folioを装着して、キーボードを入力するときだ。これまでのiPad Proの場合、キーボードに置いた手をいったん離して、指をホームボタンに当てる必要があったが、新しいiPadでは、何かキーを1つ押すとディスプレイが点灯し、自動的に顔が読み取られてロックが外れる。体験としてはこちらの方が自然で、あたかもロックを最初からかけていないように思えてくる。本体に触れずに使うことがあるiPad Proでは、Face IDを採用したメリットがiPhone以上にあると感じた。
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