新「iPad Pro」先行レビュー 前モデルから乗り換えたくなるほどのモデルチェンジ(2/3 ページ)
Liquid Retinaを採用し、前面ほぼ全体がディスプレイになった新しい「iPad Pro」。ホームボタンを廃したデザインになり、Apple PencilやSmart Keyboardも刷新された。短期間だが、実機を使ったレビューをお届けしたい。
パフォーマンスの高さはモンスター級、ストレージは最大1TBに
次に、パフォーマンスを見ていこう。新しいiPad Proは、iPhone XS、XS Max、XRに採用される「A12 Bionic」をさらに強化した、「A12X Bionic」が内蔵されている。Xが付く型番のプロセッサは、これまでもGPUなどが強化されていたが、A12X Bionicでもそれは同じ。CPUはA12 BionicをベースにCPUが8コア化されており、パフォーマンスもiPhoneのものに比べると大きく上がっている。
その証拠に、ベンチマークスコアを以下に掲載する。以下はGeekbench 4で測定したスコアだが、CPUはシングルコアが5015、マルチコアが1万8131となっている。9月に掲載したiPhone XS/XS MaxのレビューではiPhone XSがシングルコア4826、マルチコア1万1608だったが、特にマルチコアのスコアが大きく上がっているようだ。コア数が増えていることが影響しているとみられる。
GPUの性能を示すMetal Scoreは4万1493になった。こちらは、iPhone XS比で何と2倍のスコア。iPhone XS、XS Max、XRでもグラフィックスに凝ったゲームなどはスムーズに動いていたが、iPad Proはさらにその上を行くことになる。そこまでの性能を生かし切れるアプリはそれほど多くはないかもしれないが、iPad版「Photoshop CC」のような高機能アプリが登場することを考えると、納得のパフォーマンス。今後、さらなる高機能アプリが登場する呼び水にもなりそうだ。
ちなみに、Geekbench 4を見ると、メモリ(RAM)が6GBと記載されていた。10.5型版のiPad Proは4GBだったが、新しいiPad Proはここから2GBもメモリが増えていることになる。ただし、試用したiPad Proの容量はストレージが1TBのモデル。この容量のモデルのみ、メモリが増量されているとのウワサもあり、まだ確認は取れていない。現時点で筆者が確実に分かるのは、あくまで11型、1TB版のiPad Proに6GBのメモリが搭載されているということのみだ。
上記の通り、今回試用したモデルのストレージは1TB。iPad史上最大容量のモデルで、多少アプリや写真を保存した程度だと、容量が減っている様子が全く分からない。設定の「iPadストレージ」に表示されるグラフが、まるでバグでおかしくなってしまったかのようで面白い。もっとも、1TBモデルは価格もその分跳ね上がってしまう(Wi-Fiモデルは17万2800円、Wi-Fi+Cellularモデルは18万9800円。いずれも税別)。クラウドにデータを保存するシーンも多いと思われるので、ここまでの容量が必要な人は限られてくるだろう。
とはいえ、大量に動画などのデータを持ち運びたいというニーズがゼロではないことも確かだ。特にiPad Proは、その名の通りプロユースを想定したデバイス。ここまで処理能力が高いのに、持ち運べる動画が少ないのでは本末転倒になってしまう。ただ、その解決方法が内蔵ストレージを1TBまで増強することなのかという点には少々疑問も残った。新しいiPad ProにはUSB Type-Cも搭載されているため、これをもっと活用する方向にかじを切ってもよかったのではないかと感じた。
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