2018年のモバイル業界を振り返る(4月編):3キャリアがRCSベースの「+メッセージ」導入へ/楽天のキャリア参入決定:Mobile Monthly Top10
2018年の各月に読まれた記事トップ10を集計。4月は大手キャリアの「+メッセージ」導入や、楽天のキャリア参入決定が大きな話題となりました。
2018年も残すところあとわずか。そこで、ITmedia Mobileの月間アクセスランキングを集計しつつ、1年を振り返ってみようと思います。
今回は4月のランキングを見てみましょう。
ITmedia Mobile Monthly Access Top10
2018年4月1日〜2018年4月30日
- ドコモが段階制の料金プランを導入する狙い auピタットプランとの違いは?
- ドコモ、au、ソフトバンク、SMSを進化させた「+メッセージ」を導入 RCSに準拠
- 「+メッセージ」はLINEユーザーにどこまで響くのか
- いまだにガラケーからスマホに移行できない人たち その理由は?
- 家庭用Wi-Fiルーター「Google Wifi」発売 既存のルーターと何が違う?
- 「新しいiPad」と「iPad Pro」はどちらが買い? 使用感とスペックを比較する
- 苦境のXperia、2018年度はさらに販売縮小 それでもソニーがスマホ事業を続ける理由
- 「Xperia XZ2 Premium」は何が新しい? XZ2やXZ Premiumと比較する
- 楽天の「携帯キャリア」参入決定 「1.7GHz」帯で“追加条件”あり
- 楽天の携帯キャリア参入で気になる「料金」と「ネットワーク」
4月といえば、多くの学校・企業の新年度を迎える月。「1年で一番忙しい」と言われる携帯電話市場の春商戦が少し落ち着く頃合いでもあります……が、今年(2018年)は、キャリア共通のメッセージングサービス「+メッセージ(プラスメッセージ)」が登場したり、楽天のキャリア参入が決定したりと重要なニュースも飛び込みました。
+メッセージ関連の記事は2位、3位にランクインしています。このサービス(アプリ)は、GSM Association(GSMA)がSMS(ショートメッセージ)の後継規格として策定した「RCS(Rich Communication Services)」に準拠しており(参考記事)、単なるメッセージだけではなくファイルや位置データ(ジオタグ)、スタンプなどもやりとりできます。その名の通り、SMSを“リッチ”にしたサービスです。
他国のキャリアでもRCSの導入は進んでいますが、基本的には同一キャリア内でのやりとりにとどまっています。そんな中登場した+メッセージは、キャリアをまたいで使えるという点で「世界最先端」だそうです(参考記事)。
世界的に、RCSはB2C、つまり企業ユーザーから個人ユーザーにメッセージを送る用途において大きな期待を集めています。+メッセージについても同様の指摘がなされていますが、現時点では大きな動きは見られません。+メッセージ固有の問題として、MVNOサービスの利用者は現時点で非対応であることや、大手キャリアでもソフトバンク(とウィルコム沖縄)の「Y!mobile」ブランドでは使えないことも課題です。
「LINE」を始めとするライバルサービスがひしめく中、+メッセージはどこまで普及するのでしょうか。来年(2019年)も引き続き注目したいと思います。
楽天のキャリア参入に関するニュースは9位と10位にランクインしています。総務省が1.7GHz帯(Band 3)と3.4GHz帯(Band 42)を使ったLTE通信サービス用電波帯域を追加割り当てを行うことに合わせて、楽天は携帯キャリア事業(MNO)への参入を表明し、「楽天モバイルネットワーク(RMN)」という準備会社を設立します。
結果、RMNはBand 3の追加帯域のうちの1枠の割り当てを受け、MNOとなることが確定しました。ちなみに、Band 3の追加帯域のもう1枠はKDDI(沖縄県を除く46都道府県)と沖縄セルラー電話(沖縄県)の2社に割り当てられました。
現在、RMNは2019年10月予定のサービスインに向けた準備作業を進めています。エリア構築までの暫定措置として、11月にはKDDIと沖縄セルラー電話の4G LTEネットワークへのローミングにが決定し、12月からは自社基地局の建設を開始しました。
日本において、LTE(4G)オンリーのキャリアネットワークを構築するのはRMNが初めて。その意味ではいろいろと見どころがたくさんあります。準備が進むにつれて、料金プランを始めとする詳細が順次発表されていくものと思われますが、とにかく来年が楽しみです。
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