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インタビュー

ソフトバンク傘下のLINEモバイルが、なぜau回線を追加するのか? 嘉戸社長に聞くMVNOに聞く(2/3 ページ)

MVNOが逆風にさらされている中、LINEモバイルは順調に契約数を伸ばしている。そんなLINEモバイルが、この春からau回線を追加する。自社で基地局などの設備を持つソフトバンクのグループ会社でありながら、あえて他のMNOから新規で回線を借りるのはなぜか?

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au回線はMVNEが間に入っている

―― au回線を追加するというプランは、いつ頃から考えていたのでしょうか。

嘉戸氏 ソフトバンク回線を始めてからですね。数字を見て、こうなるんだということが分かってきました。本格的に検討したのはそこからで、皆さんが思っているより、早く出すことができたんじゃないでしょうか。

―― ちなみに、KDDIからは何か言われていないですか。ソフトバンクグループなのにけしからんというような……。

嘉戸氏 ないです(笑)。今回は直ではなく、MVNEを介していますが、正直MVNEが入ると(MNO側の)コントロールは効きません。

―― ソフトバンクから、それはやめてほしいというのもなかったですか。

嘉戸氏 ないです、ないです(笑)。ソフトバンクとLINEが何のために資本業務提携したかというと、回線数を伸ばさなければならなかったからです。そこに最短距離でいこうとしたとき、純粋にこの形になりました。

スマホのセット比率は低い

―― 端末に関しては、2018年にiPhone SEを追加しましたが、売れ行きなどはいかがですか。

嘉戸氏 そこまでではないです。大きいかというと、「ああ……」という感じです(笑)。もちろん売れていないことはないですが、爆発的かというと、それは違います。

 これは、これからもうちょっと変わってくるかもしれません。もともと、LINEモバイルはiPhone比率が高く、アンケートベースですが、全体の5割ぐらいの方がiPhoneでSIMを差し替えて使っています。ただ、LINEモバイルは端末のセット比率自体がそんなに高くない。そこは今、(どうやって上げていけるかを)研究しているところです。

―― iPhoneもSEではなく、もう少し新しいものならというのはありそうですが。

嘉戸氏 それだけじゃなく、Androidのセット比率も(他より)低いんです。単純に売り方が下手なんじゃないかな(笑)。一般の方が見て、「なんかお得そう」とか、「なんか面白そう」というのが伝えられてないんだと思います。

店舗ではLINEモバイルの指名買いが多い

―― 即時開通店舗が600まで増えていますが、この数には驚かされました。

LINEモバイル
量販店や併売店を中心にLINEモバイルの即時開通店舗が急増

嘉戸氏 今、700ぐらいまで行くんじゃないかな、というところです。即時開通店舗では指名買いが多く、CMでLINEモバイルを見て、オンラインで調べてみたものの、オンラインでそのまま契約するのは厳しいんじゃないかという方のために(即時開通店舗を)用意しています。ですので、店舗は本当にちっちゃいですよ(笑)。フルサービスは提供していません。本当にフルサポートが必要な方は、ソフトバンクを使った方がいい。

 ここは結構難しい議論ですが、サポートが必要な方のために(店舗を)充実させればさせるほど、当然お金がかかり、コストパフォーマンスを求める方にとっての不満になります。ですから店舗は、最初のSIMカードの差し替えやAPN設定がよく分からないという方や、すぐに受け取りたいという方のためのものにしています。

―― ソフトバンクとY!mobileを併売する店舗が増えていますが、ここにLINEモバイルが加わることはあるのでしょうか。

嘉戸氏 ないんじゃいかなぁ(笑)。これは本当に分からないです。3つになってしまうと、今、店舗で働いている方がどこまで耐えられるのかも心配ですし、3つを比べられるのがお客さまのために本当にいいのかは悩ましいところです。

 LINEモバイルがやることはずっと変わっていなくて、オンラインでどう伸ばすかです。その中で、開通のところで店舗を必要としている方がいる。逆に、コールセンターの状況を見ていると、契約から3カ月目以降はほとんど電話をかけていなないことも分かりました。使い始めたら全く困らないので、その代わりにお客さまに還元するのが正しいと判断しています。

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