「iPad mini(第5世代)」レビュー 変わらない良さと、変わってほしかったところ(2/3 ページ)
Appleから、2019年モデルの「iPad mini(第5世代)」が発売された。約4年ぶりの刷新となるリニューアルモデルは、性能や機能面ではさまざまな強化が加えられている。iPad mini旧モデルやiPad Proなどを使っている筆者の視点で、新iPad miniの魅力と、気になる性能について見ていこう。
Apple Pencil対応、CPU強化でクリエイティブ用途もカバー
新機能のApple Pencilは、別売りの第1世代のものを利用できる。ペン入力の追従や筆圧感知は滑らかで、ペン先と実際の入力位置のギャップもほぼない。また、手が触れた状態とペン入力のどちらを優先するかの判断も的確だ。ペンタブレットとしての性能や使い勝手が高いレベルでまとまっている。最新のiPad Proの第2世代ペンとの違いも、並べて比べれば第2世代の方がやや軽くて若干追従性がいいかなという程度だ。
PDFやオフィス文書へのチェックやアイデアメモの作成だけでなく、Lightroomでの写真編集やイラスト制作などクリエイティブな用途にも活用できるレベルだ。不満点は充電方法とペンの長さぐらいしかない。
書き味は標準のままでもいいが、個人的には一般的な保護フィルムを貼った方が、ガラス面とペン先の接触で鳴る硬質な音を若干防げる上に傷防止にもなるので、安心して利用しやすい。
イラスト制作アプリのCLIP STUDIO PAINT も、簡単なイラストや絵コンテ、ネームレベルなら快適に利用できる。メモリが3GBなので、高解像度かつ大量のレイヤーを活用するプロの業務用途には向かないが、300g台で気軽に持ち歩けるスケッチブックとしてはベストな製品といっていい。デジタルイラスト入門や外出先でのスケッチ用としては、近い価格帯でやや重たいが、大画面のiPad Airとともに便利なデバイスといえる。
最新CPU搭載、USB PDの急速充電にも対応
CPUは最新のiPhoneやiPad Airと同じA12 Bionicを搭載。総合ベントマークアプリのAntutu Benchmarkでは約38万点台と、iPhone XS MAXよりやや上のスコアだった。なお、iPad ProのA12X Bionicはプロセッサのコア数が増やされており、最新iPhoneやiPad miniよりも高速だ。
アプリの動作はもちろん、高画質3Dグラフィックのゲームアプリも快適に動作する。PUBG MOBILEなど人気のサバイバル系ゲームなどは、スマホよりも大きい画面かつ両手で持ちやすいサイズなのでかなり遊びやすい。
充電端子はLightningのままで、従来の周辺機器もそのまま活用できる。付属のACアダプターは10Wのものだ。また、いずれも別売りだがApple製またはMFi認証を取得した「Made For iPhone/iPad/iPod」ロゴ付きのUSB-C - Lightningケーブルと、市販のUSB PD対応ACアダプターを使った急速充電にも対応している。
実際にUSB PD(45W)対応ACアダプターとUSB-C - Lightningケーブルで充電したところ、高負荷時かつバッテリー残量が少ない状態だと最大で30W(15V/2A)の電力供給を確認できた。
実際の充電時間もUSB PDを利用した方が高速だ。バッテリー残量0%から1時間の充電容量を計測したところ、USB PDなら67%、付属の10W ACアダプターだと41%と、1.5倍以上の電力を充電できた。
カメラはアウトカメラが800万画素、FaceTime HD対応のインカメラが700万画素だ。画質はタブレットとしてはそこそこ高感度だが、iPhone XSといった最新スマホのように室内や夜景をローノイズできれいに撮れるほどの性能はない。
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