ドコモの5Gプレサービスは「全国で」「地域に根ざしたもの」も想定
ドコモは、ラグビーワールドカップの始まる2019年9月20日から5Gのプレサービスを開始する。提供するのはスポーツ関連のサービスだけではない。「地域に根ざしたサービスも準備している」という。
NTTドコモは2019年9月20日に、5Gのプレサービスを提供する。そのきっかけとなるのが、同日から開催されるラグビーワールドカップ2019なので、スタジアムやライブビューイング会場でのマルチアングル視聴を想定しているが、提供するのはスポーツ関連のサービスだけではない。
NTTドコモ 5Gイノベーション推進室の奥村幸彦氏は、「全国でほぼ同時に、プレサービス用の基地局を立てて、地域ごとに特徴のあるサービスを体感いただけるよう準備する」と話す。つまりラグビーワールドカップの会場以外でも、一足早く5Gサービスを体感できるようだ。具体的なサービス内容や端末については「ご案内できる段階ではない」と明言を避けたが、「地域に根ざしたサービスも準備している」「基本的には小型端末を用意する」とのこと。
5月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2019」内の「5G Tokyo Bay Summit 2019」では、ドコモがパートナーと開発を進めている、最新の5Gサービスやソリューションを見学、体験できる。この中にプレサービスで提供するものはないようだが、「スポーツ関係のソリューションは、類似するものをご覧いただける」(奥村氏)とのこと。
5Gを活用した8Kライブ映像配信や、VRゴーグルを用いたスポーツ観戦は、実際にプレサービスで提供される可能性が高そうだ。地方に根ざしたサービスは、ロントラと開発している、観光を疑似体験できるVRコンテンツは相性が良さそうだ。旅行を検討しているユーザーが、実際に現地の様子をプレ体験してもらって誘客するのが狙いだ。
NECと共同開発している「スマート街路灯」も、早期に実現可能なソリューションだという。LED街路灯に5G基地局やネットワークカメラなどを搭載しており、カメラが捉えた通行人の数、性別、年齢を解析する。例えば店舗の前に設置することで、来店者の属性が24時間リアルタイムで分かり、マーケティングに活用できる。LTEでも実装は可能だが、基地局としては5Gに対応している方が、より多くのユーザーを収容でき、大容量のデータ通信が可能になる。人がよく集まる場所、観光地などで、5G対応のスマート街路灯を見られる日も近そうだ。
5G Tokyo Bay Summit 2019では、ちょっと先の未来を見据えたサービスも披露している。
日産自動車と共同開発している「Invisible-to-Visible」では、車の前方や建物の裏側など、通常は見えない情報をドライバーに提供することで、快適な運転を支援したり事故を未然に防いだりすることを狙う。遠隔地にいる人が、あたかも同乗しているように感じられるよう、ARを活用して3Dアバターと会話できるサービスも想定している。
ワントゥーテン(1→10)と共同開発している「CYBER WHEEL」は、遠隔地のユーザー同士で車いすレースを疑似体験できるサービス。クラウドサーバがVR映像を配信し、低遅延の5Gを活用することで、遠隔地でも臨場感あふれるレースを楽しめるという。
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