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楽天が見据える5Gの世界、スポーツとのコラボに期待Rakuten Optimism

キャリア事業に参入する楽天は、5Gではどんなサービスを考えているのだろうか。「Rakuten Optimism 2019」で、その一端を見ることができる。サッカーと野球のプロ球団を所有する楽天ならではのコンテンツに期待したい。

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 キャリア各社が2020年に商用サービス開始を予定している5Gの特徴は、超高速、低遅延、多接続などだが、これらを生かしたどんなサービスが生まれるのだろうか。楽天が7月31日から8月3日まで開催しているイベント「Rakuten Optimism 2019」で、その一端を見ることができる。

 イベントのテーマが「5G時代を、先取りしよう」ということもあり、体験型イベントコーナーの「フューチャー・ワールド」では、「Rakuten 5G」と銘打ち、5G時代を想定したデモを多数実施している。

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「Rakuten 5G」ブースでは、5Gを見据えたIoT機器やサービスを紹介している

 「Virtual Football Practice」では、ヴィッセル神戸の選手とパスのやりとりを疑似的に体験できる。壁と床に張り巡らされた液晶ディスプレイを利用したもので、参加者が床のディスプレイに表示されたボールの上を蹴ると、画面に映し出されたボールが前にはじき出され、壁に映し出された選手がボールを受け取り、蹴り返してくれる。

 ユーザーの動きは、ディスプレイの端に置かれた赤外線センサーが認識しており、ユーザーが蹴ったと判断すると、画面のボールが前に動く仕組みだ。サッカー選手がボールを蹴る様子は、あらかじめ録画したものを使っているが、確かに実際にパスをやり取りしているように感じられる。今回は録画コンテンツを使っているため5Gはおろかモバイル通信は関係ないが、5G時代では、離れた場所にいる人と、リアルタイムでパスができるようになることを想定している。低遅延の5Gなら、より自然に、パスの相手がその場にいるかのような感覚で楽しめるはずだ。

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壁と床に張り巡らされたディスプレイを使って、神戸の選手とパスをするイメージデモ。床に映し出されたボールの上をめがけて蹴ると、ボールが前に動く
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選手がボールを止め、蹴り返してくれる
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周囲の赤外線センサーでユーザーの動きを検知してボールを動かしている

 5Gや大型ディスプレイを活用すれば、例えば近くにサッカークラブのない地方の子どもが、都内のコーチに遠隔でサッカーを教えてもらう、といったことも可能になるだろう。

 また、今回のように有名サッカー選手と遠隔地で一緒にプレイすることは、ヴィッセル神戸というサッカーチームを運営している楽天ならではの“コンテンツ”といえる。同様に、楽天はプロ野球チームの「東北楽天ゴールデンイーグルス」も運営しているが、プロの野球選手とキャッチボールやバッティングの練習を楽しむ、といったことも可能になるかもしれない。

 楽天がスポンサーを務めるFCバルセロナの「Rakuten CUP」でのハイライト映像(8K)をVRゴーグルで楽しめる「Rakuten CUP VR」も用意されており、スポーツと5Gは相性がいい。サッカーと野球のプロ球団を持つ楽天が、どんなコンテンツを提供してくれるのか期待したい。

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「Rakuten CUP VR」でサッカーの試合を観戦している様子

 5Gの低遅延を体感できるものとして、オンラインゲームをLTEと5Gで同時にプレイするデモも用意。5Gの方が画質が乱れることもなくスムーズにプレイできた一方で、LTEの方は遅延がひどく、画質も所々で荒れてしまっていた。担当者によると、LTEはMVNOの無制限プランを使っていて実測で下り6Mbps、5Gは3.7GHz帯を使っていて実測で下り350Mbpsほどが出ているという。

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LTEと5Gでのゲームデモ
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ネットワーク構成
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5GはNECの基地局装置を利用している
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こちらはLTEの基地局装置
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親子で5Gゲームを楽しむ姿も

 5Gの方がスムーズにプレイできるのは、MEC(モバイルエッジコンピューティング)を活用していることも大きい。MECではクラウドではなく、より端末に近い基地局側にエッジサーバを配備しており、低遅延で通信ができるのを特徴としている。楽天の5Gネットワークでは、2〜5キロぐらいの範囲に全国4000以上のエッジサーバを配置するそうで、大容量のオンラインゲームは、MECのメリットを体感できる筆頭といえる。

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