「iPhone 11」シリーズを試す カメラは“超広角が加わっただけ”ではなかった(1/4 ページ)
iPhone 11シリーズ3機種は、超広角カメラに対応しているのが最大の特徴。ただし、複眼カメラは画角を変えるためだけに使用されているのではない。このカメラに加え、デザインやパフォーマンスも含めてレビューする。
9月20日に、「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」の3機種が発売される。既報の通り、新たに登場するiPhone 11シリーズ3機種は、超広角カメラに対応しているのが最大の特徴。iPhone 11はグリーンやパープル、イエローなどをそろえてカラーリングを一新、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxは背面のガラスをすりガラスのような質感に変えるなど、デザイン面にも新たな工夫が取り入れられている。3機種とも、プロセッサに「A13 Bionic」を搭載し、パフォーマンスの高さも歴代最高だ。
3機種の発売が目前に迫る中、短い期間ではあるが、先行してiPhone 11とiPhone 11 Pro Maxの実機を試用することができた。ここでは、本体の質感、カメラの画質や操作性、パフォーマンスなど、実機でなければ分からないポイントをレビューしていきたい。なお、大は小を兼ねるということで、特別に記載しない限り、スクリーンショットや作例などは、基本的にiPhone 11 Pro Maxで撮ったものを使用している。
カジュアルな雰囲気を引き継いだiPhone 11に対し、上質感が増したiPhone 11 Pro Max
3機種とも、本体のサイズはiPhone XR、XS、XS Maxを継承している。iPhone 11が6.1型の液晶ディスプレイを搭載しているのに対し、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxは有機ELで、ベゼルもやや細くなっている。ディスプレイ上部にノッチのあるデザインも、ほぼそのままだ。ただし、iPhone 11 Pro Maxは重量が18g増し、226gとなっているためか、手に取ったときにズッシリとした重みを感じることは指摘しておきたい。
大きく変わったのが、背面のデザインだ。iPhone 11はデュアルカメラ、iPhone 11 Pro Maxはトリプルカメラといった違いはあるが、台座のように盛り上がった中にカメラとフォトライトが搭載されているデザインは共通。この台座は別パーツを組み合わせているのではなく、背面のガラスと一体成型されているのも、デザイン上の見どころ。継ぎ目がなく、色味も統一されているため、思ったよりも悪目立ちしていない印象を受ける。
iPhone 11 Pro Maxは、iPhone XS Maxからガラスの仕上げも大きく変わった。iPhone XS Maxが光沢感を強調するガラスだったのに対し、iPhone 11 Pro Maxはすりガラスのようなマットな仕上がりになっている。サラサラとした感触のガラスで、光の当たり方によっては金属のようにも見える。ワイヤレス充電を実装する関係で、ハイエンドモデルの背面にはガラスが採用されることが増えているが、iPhoneも例外ではない。
一方で、金属の醸し出す高級感にも、やはり捨てがたい魅力がある。いかにもガラスらしいガラスを使うのではなく、ガラスを使いながら金属のような質感に挑戦したのは、デザインにこだわるiPhoneらしいポイント。ワイヤレス充電のような機能性と、金属の持つ重厚感を両立させる仕上げともいえる。iPhone 11 Pro Maxには、フレームにも同系色のステンレススチールが採用されており、光沢感が強い。
これに対し、iPhone 11は、よりカジュアルな見た目に仕上がっている。ベースはiPhone XRと同じで、フレームにアルミを採用し、背面にはガラスを用いている。試用したグリーンは、ペールカラーと呼べる薄い色合いで、高級感を全面に打ち出したiPhone 11 Pro Maxに対し、カジュアル感が強いデザインに仕上がっている。後述するが、iPhone 11は価格も非常にカジュアル。両機種の位置付けは、デザインでもしっかり表現されている印象を受けた。
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