トリプルカメラで次の一歩を踏み出した「iPhone 11 Pro」 XSと画質を比較してみた:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(5/5 ページ)
「iPhone 11」シリーズが発売されたとたん、購入者のテンションがやけに高い。最近のiPhoneは毎回カメラ機能が上がっているんだけど、今回の超広角ほど盛り上がったことはないのでは? 本当にiPhone 11シリーズのカメラはすごいのか。「iPhone 11 Pro」と前モデル「iPhone XS」と比べつつ見ていきたい。
他にも要注目ポイントがてんこもりなのだった
要点は以上。その他は、ちょっと気が付いた点をまとめておくことにする。
まずは「写真のフレームの外側を含めて撮影」機能の話。これ、めちゃ斬新な超絶技巧なわけだが、被写体の距離が近いと使えない。たぶん、2つのカメラが収めた被写体のズレを補正できなくなるからだろう。
続いてカメラアプリのインタフェースがちょっと変わった話。ここの画面上部の山形をタップすると、サブメニューが現れる。画像の縦横比はここで変更するようになった。フィルターやセルフタイマーもここだ。
連写の操作方法も変わった。つい長押ししてしまって、けたたましいシャッター音がしてびっくりする人が続出していたわけだが(大げさ?)、それもなくなるかも。
なんと、長押しすると「押している間だけ動画撮影」という短いクリップをさっと撮りたいとき超便利に。「あっ、ここは動画で」と思ったら長押しすればいいのだ。
で、指を離すと撮影終了だが、長く回したいときはボタンを「ロック」の方へスライドさせればOK。
ただし、縦横比は静止画と同じになる。
連写は反対方向にスライド。指を離すと連写終了となる。これはよい。
4番目はAFの話。人物以外でも認識することがあるようだ。なんと猫も検出した。他のどんな被写体に反応するかはまだ調べ切れていない。
5番目は広角カメラでもポートレートモード、つまり背景ぼかしを使えるようになったが、料理に使うのは難しいかも。あまり近寄ると「離れてください」と言われる。もうちょっと近寄れるとうれしいのだけどね。
でも、広角カメラで背景ぼかしを使えるのはやはり待望である。
6番目は望遠カメラがF2.0と明るくなったこと。望遠カメラは広角カメラに比べるとイメージセンサーが小さくて高感度に弱い。レンズが明るいとその分感度を抑えられるので画質も落ちにくくなるのだ。
今までと同様、「2x」を選択しても、暗いときや被写体が近いときは広角カメラのデジタルズームが採用されるわけだが、室内など明るくない場所でも望遠カメラで撮ってくれるケースは増えている気がする。それに、望遠カメラを使うポートレート時の画質もあがる。
超広角カメラはめちゃ楽しい。楽しい上に、フィールドワーク時の記録用としてもめちゃ欲しかった。これでワイコンを付けなくてもよくなる、と個人的には思う。もうずっと待っていたのだ。
めちゃ楽しいのだけど、楽しいだけのためではありますまい。よく言われるのは、ARなど新しいカメラの使い方をするとき、超広角は世界を幅広く捉えられるのでより有用になるということ。
インカメラが広角になったことと、Face IDを使うときに顔が近かったり多少角度がついていたりしても認識するようになったことにも無関係ではあるまい(もちろん赤外線照射角も広がっているのだろうけど)。
そういった意味では、超広角カメラを前後に搭載したiPhone 11系からが新世代iPhoneなんじゃなかろうか、と思うわけである。
あ、最後に今回もまた改善されなかった悲しい欠点を1つ。
シャッター音がでかい!
諸般の事情で完全な無音が難しいなら、もうちょっと目立たない、連写してもけたたましくない程度の音にしてもらえないだろうかと思う……よね。
ともあれ、今回のトリプルカメラのiPhoneは、素晴らしい出来なので買い換えて損はないはず。
他社のスマホカメラと比べたらどうか、というと、そうだな、今のスマホカメラって大きく「映え派」と「リアル派」に分かれていて、HuaweiやOPPOやサムスンは映え派、逆にソニーやAppleはそれに比べるとリアル派傾向が強めなわけで、コテコテの見栄えのする絵が欲しい人以外には超おすすめといいたい。
少なくとも私は、iPhoneで写真を撮る機会がぐっと増えてきている。
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