ドコモなど5社、ゴルフ場の経営改善に向けた5G実証実験に成功 満足度向上で地方創生に貢献
NTTドコモなど5社が協同で、ゴルフ場の経営改善を実現すべく5G実証試験を実施。プレー回転率やユーザビリティの向上を解決し、地方創生の貢献を目指していく。
NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、ミライト、富士通、長野京急カントリークラブは、11月11日から15日にかけて、長野京急カントリークラブにおいて5G(第5世代移動通信システム)に関する実証実験を共同実施した。
今回の実験では、長野京急カントリークラブの1番ホールに28GHz帯の5G通信エリアを構築。ゴルフプレイヤーのショット映像で弾道分析して落下地点を予測し、その結果をプレイヤーのタブレット・次世代ディスプレイカートに表示させる「落下地点予測」、ティーショットの映像を4K360度カメラで撮影して高精細な映像をライブ配信する「ライブ映像伝送」の試験を行った。
ボールの落下地点を利用者にスムーズに示し、他のコンペメンバーともリアルタイムにお互いのプレー状況が確認できるといった新たな体験を提供した。
「落下地点予測」ではティー後方にカメラを設置し、撮影したショット映像を弾道分析システムで分析してボールの落下地点予測を実施した。その予測結果を次世代ディスプレイカートやプレイヤーのタブレットへの表示に成功し、これによりボール探しの時間短縮と共にプレーの回転率向上が見込まれ、ゴルフ場の経営改善に貢献できる可能性があるとしている。
「ライブ映像伝送」では、プレイヤーのティーショットを2カ所に設置した4K360度カメラの超高精細映像で撮影。5Gを介して安定した映像伝送を実現した。次世代ディスプレイカートでは複数のディスプレイを設置していたが途切れることなく受信した4Kライブ映像を表示でき、これによりプレイヤーは自分のショットまたは前後の組の映像を楽しむ体験を得られるという。
11月13日には複数基地局設置・複数端末を接続した環境で、5G端末を搭載した次世代ディスプレイカート移動中に平均1Gbpsを超える通信にも成功。プレー回転率やユーザビリティの向上を解決すると共に、利用者の満足度向上や利用機会の創出によって県内外からの利用者増加など地方創生への貢献を目指していく。
試験結果は、11月27日〜11月29日にパシフィコ横浜で開催される「Microwave Workshops & Exhibition 2019」でも展示する。
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