2019年を振り返る(11月編):Huaweiは「Google」を続けられるか?/“おトク”だけでスマホ決済は広がるのか?:Mobile Monthly Top10
5月に米商務省産業安全局の「エンティティリスト」に収載された中国Huawei(華為技術、ファーウェイ)とその関連企業。その影響で、新機種にGoogle関連アプリとシステムソフトウェアを搭載できない状態となっています。今後、この問題はどのように推移するのでしょうか……?
2019年も、残りわずか。そこで、ITmedia Mobileのアクセスランキングを月単位で振り返っていきます。
この記事では、11月のアクセス数のトップ10を見ていきます。
ITmedia Mobile Monthly Access Top10
2019年11月1日〜2019年11月30日
- ドコモの「Xperia 5」と「AQUOS sense3」が発売即トップ10入り
- Googleサービスを使えないHuaweiが選択した“プランB” スマホ事業の勝算は?
- エリアだけでなく料金にも不安要素 3キャリア社長が「楽天モバイル」を冷ややかに見る理由
- 「Galaxy Fold」はランクインならず 「Xperia 5」や「Pixel 4」の順位は?
- スマホ決済 11月開催のキャンペーンまとめ
- “祭り”ならず? 「iPhone 11」シリーズの売れ行きがイマイチに見えてしまう3つの理由
- いまだ販売ランキング1位 「iPhone 8」がXSやXRよりも売れている理由
- トヨタがスマホ決済に参入 「TOYOTA Wallet」アプリ提供、iDやコード決済が利用可能
- ガーミン、タフネスGPSアウトドアウォッチ「Instinct Tide」「Instinct Tactical」を発売 11月13日から予約受付
- ドコモの「AQUOS sense3」が総合5位に上昇、「Xperia 5」は7位にダウン
11月のアクセス数トップ10では、携帯販売ランキングの記事が幾つかランクインしています。傾向としては、Xperiaシリーズが総合販売ランキングで上位に入った場合に良く読まれるようです。日本ではXperiaの人気が旺盛であることが伺えます。
アクセス数の2位には、Huawei(華為技術、ファーウェイ)のデバイス部門で日本・韓国地区のプレジデントを務める呉波氏へのインタビューが入りました。
既報の通り、Huaweiとファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)を含む関連会社は、米商務省産業安全局(BIS)が定める「エンティティリスト」に記載され、Googleを含む米国企業との新規取引ができない状態にあります。指定期日までに締結した契約については、一定条件のもと「輸出一時許可」が出ていますが、それがいつまで続くのか余談を許さない状況にあります。
エンティティリスト記載によって、新しいHuaweiスマートフォンには「Google Mobile Services(GMS)」を搭載できない状況にあります。GMSは「Google Play」「YouTube」を始めとするGoogle純正アプリと関連フレームワーク(システムソフトウェア)のセットで、中国外の国においてAndroidスマホを快適に使う上で欠かせないものです。
海外では「Mate 30」シリーズの新機種がGMSを搭載しないまま、ある意味で「見切り発車」のまま発売されています。GMS、特にGoogle Playの代わりを担うのが「Huawei Mobile Service(HMS)」で、そのフロントエンドを担うアプリである「AppGallery」です。比較的新しいHuaweiスマホでは、AppGallery自体はすでにプリインストールされていますが、GMSを搭載できない機種ではAppGalleryがメインのアプリマーケットとなります。
上に掲載した画像にもある通り、AppGalleryには「LINE」もありますし、案外アプリがそろっているように見えるのですが、YouTubeはもちろん「Facebook」「Twitter」など米国企業が関与する主要アプリの姿がありません。Webブラウザ経由でもこれらのサービスは使えるのですが、アプリで使うのと比べると全体的な体験はどうしても劣ってしまいます。
何度も言っているような気がするのですが、一番の解決策はHuaweiとその関連企業がエンティティリストから除外されることです。ただ、米国と中国の政治や経済面での対立も絡んでいることもあり、すぐに解決することは困難であると思われます。
いくら良いスマホでも、肝心のアプリがないとなると意外と困ってしまいます。何とかならないものでしょうか……。
ランキングの5位には、コード決済を始めとする各種スマホ決済の11月に行われるキャンペーンのまとめ記事が入りました。8位にはトヨタ自動車の決済サービス「TOYOTA Wallet」にナンする記事がランクインしています。
スマホ決済はサービスが乱立気味で、キャッシュバックやポイントバックといった還元でユーザー獲得競争が行われている状況です。しかし、2019年に入ると、還元率が低くなったり、条件次第では還元がなくなったり、高額還元は続けるものの受けるための条件が厳しくなったりと、様子が少しずつ変わってきています。
高額還元に魅力を感じてスマホ決済サービスを始めたものの、還元を大して受けられなくなったら使うのをやめてしまう――私の回りでもそういう人がちらほらいます。私自身も、グループ企業以外のクレジットカード決済で還元がなくなってしまったあるスマホ決済をほとんど使わなくなりました。今では以前と同じようにおサイフケータイ(FeliCa)を用いるスマホ決済を使う生活に戻っています。
今後、スマホ決済はどうなっていくのでしょうか。還元にとどまらない利便性にもっと目を向けてほしいと思う次第です。
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「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象店舗でキャッシュレス決済をすると、5%か2%の還元を受けられる。そんな中でも、決済サービス事業者は、独自のキャンペーンを提供しているところが多い。今回は11月の主なキャンペーンや還元施策を紹介する。
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