“5Gにふさわしい”カメラとディスプレイを追求した「AQUOS R5G」 シャープの5G戦略を解説する(3/3 ページ)
シャープが5Gに対応したスマートフォン「AQUOS R5G」と、「5Gモバイルルーター」を今春に発売する。AQUOS R5Gは「8Kワイドカメラ」、ルーターは「5Gのシェア」を特徴に掲げる。2021年度にスマートフォンAQUOSを全て5Gに対応させるという。
「高速通信をシェアする」5Gモバイルルーター
5Gモバイルルーターは、Sub6だけでなくミリ波に対応したことで、下りの理論値は4GbpsでAQUOS R5Gと同じだが、上りは0.8Gbpsまで向上する。5G対応のモバイルルーターをいち早く投入する理由について、通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部の城田真吾氏は「高速通信をみんなでシェアすることに着目した」と説明する。
LTEのモバイルルーターは、個人利用が主な用途で、複数機器をつなぐと速度が下がる傾向にあり、複数台での利用には向かない。固定回線を用いた据え置き型のルーターは複数機器の同時通信には十分な速度を発揮するが、屋外には持ち運べない。これらの課題を解決するのが、5Gモバイルルーターというわけだ。
手軽に持ち運べるため、イベント会場や仮設事務所など、固定回線の常設が難しい場所でも高速通信の環境を構築しやすい。Wi-Fiだけでなく、有線LAN(2.5GBASE-T)とUSBでの接続にも対応しており、最大16台の機器が接続できるため、小規模なオフィスやセミナーなどでも活用しやすい。
サイズは約157(幅)×84(高さ)でモバイルルーターとしてはかなり大きいが、ミリ波のアンテナや、常時接続してもパフォーマンスを持続させるための放熱設計にスペースを割いているようだ。
5Gの周波数帯は、AQUOS R5Gと同じSub6のn77、n78、n79に加え、ミリ波はn257(28GHz帯)に対応する。28GHz帯はドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルに割り当てられており、こちらも4キャリアが扱う準備は整っているといえる。
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