「OPPO Reno3 A」レビュー パフォーマンスは先代よりダウンしたが、コスパの高さは健在:石野純也のMobile Eye(1/2 ページ)
オッポジャパンが6月25日に発売する「OPPO Reno3 A」は、コストパフォーマンスの高さから高い人気を集めた「OPPO Reno A」の後継機にあたる。おサイフケータイや防水・防塵(じん)にも対応。価格は税込みで3万9800円で、Reno Aとほぼ同じ水準だ。カメラがクアッドカメラになった一方で、プロセッサはReno Aよりも低スペックの「Snapdragon 665」を採用している。
オッポジャパンは、6月25日にミドルレンジのSIMロックフリースマートフォン「OPPO Reno3 A」を発売する。この端末は、2019年10月に発売され、そのコストパフォーマンスの高さから高い人気を集めた「OPPO Reno A」の後継機にあたる。日本市場に合わせた独自モデルという位置付けはそのままで、おサイフケータイや防水・防塵(じん)にも対応。価格は税込み3万9800円で、Reno Aとほぼ同じ水準だ。
後述するように、カメラもクアッドカメラになり、機能は大幅に強化されている。一方で、プロセッサは「Snapdragon 665」が採用され、「Snapdragon 710」を搭載していたReno Aよりバージョンダウンしているようにも見える。こうした点が、実際の使い勝手にどう影響を与えるのか。発売に先立って試用できた実機で、実力を検証した。
背面デザインは「Reno3 5G」に近い、画面内指紋センサーも便利
Reno Aの後継機だけに、Reno3 Aのデザインテイストは、先代を踏襲している。ディスプレイ上部には水滴型のノッチを備えており、正面から見たときの姿はReno Aに近い。一方で、背面はカメラがクアッドカメラになったこともあり、デザインが刷新されている。カメラの位置や実装方法、OPPOロゴの位置などは、ソフトバンクから発売予定の「OPPO Reno3 5G」に似た姿になっている。試用したのはブラックだが、ホワイトのカラーリングも、Reno3 5Gに合わせてある印象を受ける。
ディスプレイには有機ELが採用されており、この価格帯のスマホとしては発色が派手で、黒い色が締まって見える。ディスプレイの色味は、標準設定のP3モードと、より穏やかな色合いになるsRGBの2つから選択できる。画面全体を黒基調で表示する「ダークモード」や、暖色系にしてブルーライトをカットする「アイケア」といった設定も用意されている。
また、このディスプレイは指紋センサーも内蔵している。Reno Aも画面内指紋センサーを搭載していたが、Reno3 Aでは、その読み取り速度がより速くなっているという。確かに精度は高く、正しい位置に指紋を置くと、素早く画面のロックが解除される。一方で、Reno3 Aに限らず、画面内指紋センサーに共通の課題として、指を置く場所をしっかり目視しないといけない点は変っていない。読み取り範囲は限定的なため、素早くロックを解除したい人は、顔認証を併用するといいだろう。
顔認証もスピードは非常に速く、指をディスプレイに置こうとする前にロックが解除される。インカメラを使った方式のため、暗い場所や強い直射日光が当たる場所は苦手だが、設定しておいた方がいいだろう。なお、指紋認証や顔認証は画面のロック解除だけでなく、「アプリロック」や「プライベートセーフ」といった機能でも利用できる。前者はその名の通り、アプリの起動にロックをかける機能。後者は他人に見られたくないファイルを保存する機能のことで、いずれもOPPOが独自に実装したものだ。
Reno Aから大幅に進化したカメラ、画素数が上がって超広角撮影にも対応
カメラは、Reno3 AがReno Aから大きく進化したポイントの1つだ。Reno Aは1600万画素と200万画素のデュアルカメラだったのに対し、Reno3 Aは4800万画素(メイン)、800万画素(超広角)、200万画素(モノクロ)、200万画素(ポートレート)のクアッドカメラになっている。いずれの端末も200万画素のカメラは深度測定用だったり、モノクロ用だったりと、補助的にしか使われないため、映像を記録するカメラとしては、シングルカメラからデュアルカメラに進化した格好だ。
まず、メイン(広角)カメラは画素数が向上したことで、被写体をかなり精緻に描写できるようになった。デフォルトでは4000×3000ピクセルで撮影する仕様だが、カメラの設定メニューから「48MP」をオンにすると、4800万画素をフルに使って撮影することができる。この状態で撮った写真のサイズは8000×6000ピクセル。標準では、ちょうど半分に画素数を落としている格好だ。
48MPモードで撮ると、画像の情報量が一気に増え、ファイルサイズは7MB前後になる。この状態で撮った写真は、拡大しても十分キレイに見える。Reno3 Aのディスプレイ解像度は1080×2400ピクセルなので、4倍程度の大きさに拡大しても十分なクオリティーで表示される。これを利用して、例えば料理写真をある程度引きで撮っておき、後で必要な部分だけを切り出して使うといったことができる。近くにある被写体を撮るとき、自分が影になってしまうのを防ぐのにいいだろう。
より高画素なセンサーとして、6400万画素や1億800万画素のカメラを搭載するスマートフォンも徐々に増えてきてはいるものの、ミドルレンジクラスの端末ではこのぐらいの画素数で必要十分な印象を受ける。処理能力的にも4800万画素なら、あまり動作が遅くなることもない。Reno3 Aも、48MPにするとやや保存が遅くなり、連写も効かないが、1枚1枚撮っていくぶんには問題ない速度で、次の撮影を待たされるようなこともない。
Reno Aとの違いで言うと、超広角カメラへの対応も大きい。こちらの画素数は800万画素で、メインカメラに比べるとレンズも暗いが、119度のダイナミックな構図の写真が撮れる。先代の端末では写せなかったところまで、写真として残せるようになったのはうれしい進化。風景や建物を撮るときに活躍するはずだ。ただし、画素数が低いため、精細感にはやや欠ける上に、周辺部は描写が甘い箇所もある。こうした点は割り切って使うようにするといいだろう。
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