「コスパ」と「5G」を武器に日本で台頭したOPPO その歩みと今後の戦略を読み解く:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
OPPOの5Gスマートフォンがauとソフトバンクから発売される。SIMフリー市場では、コストパフォーマンスに優れたRenoシリーズでシェア拡大を目指す。今後はスマートフォンの周辺機器も拡張して満足度向上に努める。そんなOPPOの日本での戦略を解説する。
5Gを武器に、キャリア市場への進出も果たす
参入当初からオッポジャパンが掲げていた、もう1つの目標がキャリア市場への進出だ。SIMフリー市場で実績を上げつつ、キャリアとの交渉を重ねてきたOPPOだが、5Gのスタートと同時に、ついにその目標を果たすことになる。先に挙げたように、7月22日にはKDDIからFind X2 Proが発売された他、ソフトバンクも7月31日にReno3 5Gの発売する予定だ。
KDDIとソフトバンクには、それぞれ特徴の異なる端末を納入した。Find X2 Proは、OPPOのフラグシップモデルで、120Hzで駆動するディスプレイや、1/1.4型のセンサー、10倍のハイブリッドズームなどが特徴。他社のハイエンドモデルと比べてもそん色ない高機能さで、KDDIの執行役員 松田浩路氏も「データMAX 5G ALLSTARパックとの相性も抜群」と太鼓判を押す。一方で、価格は税込みで9万2040円と、他のハイエンドモデルと比べると、ややリーズナブルに設定されている。
これに対し、ソフトバンクはOPPOの端末を5G拡大のための戦略商品と位置付け、同社の扱う5Gスマートフォンの中では最安を実現した。Reno3 5Gは、税込みで6万8400円。全部入りのフラグシップモデルと比べると半額程度と安いが、おサイフケータイに対応するなど、日本市場を研究してきたOPPOらしさは健在だ。ソフトバンクの常務執行役員 菅野圭吾氏は、「5G端末の中で最もお求めやすい、競争力のある端末だと自負している」と自信をのぞかせた。
相次いで採用されたOPPOのスマートフォンだが、キャリアからは、SIMロックフリーの実績に加え、5Gに早期から取り組んでいたことも評価されたようだ。オッポジャパンの河野氏は「5Gは規格策定当初から、研究所を開発するなどして、意欲的に取り組んできた」と語る。こうした積み重ねが、5Gの導入に合わせ、端末を拡充したいキャリア側の思惑と合致した格好だ。
ご存じの通り、日本市場はキャリア経由の販売比率が高く、SIMロックフリースマートフォンは、まだまだ母数が小さい。MM総研が5月に発表した2019年度通期の「国内携帯電話端末出荷概況」によると、スマートフォン全体が2802万5000台なのに対し、SIMロックフリースマートフォンは301万台。キャリアの市場が8倍以上大きいことが分かる。販売台数を伸ばす上で、OPPOがこの市場にリーチできたインパクトは大きいといえる。
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