SIMフリーとキャリアの「Xperia 1 II/1/5」は何が違う? スペックや価格を比較
「Xperia 1 II」「Xperia 1」「Xperia 5」がSIMロックフリーで発売される。3機種とも既にキャリアが扱っているが、スペック面での違いをあらためて確認した。デュアルSIM、対応バンド、ストレージ容量などが主な違い。
ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォン「Xperia 1 II」「Xperia 1」「Xperia 5」がSIMロックフリーで発売される。2019年10月に発売した「Xperia 1 Professional Edition」は、「SIMロックフリーだから」という理由で購入した人が多かったこともあり、今回の3機種も、SIMロックフリー化を心待ちにしていた人も多いのではないだろうか。
3機種とも既にキャリアが扱っているが、スペック面での違いをあらためて確認した。
最も分かりやすい違いが、SIMロックが掛かっておらず、ネットワークに対応していれば、どのキャリアのSIMも使用できること。さらにSIMロックフリー版はデュアルSIM(DSDS/DSDV)を採用しているため、複数キャリアのSIMを使い分けることも可能。プライベート用と仕事用で異なるSIMを入れる、海外渡航時に待ち受け用に国内SIMを入れて、データ通信用に現地のSIMを追加するといった使い方ができる。
対応バンドも、SIMロックフリー版は国内キャリアのバンドをほぼカバーしており、ドコモ、au、ソフトバンク(Y!mobile)のSIMはもちろん、MVNOのSIMを入れてデータ通信できる。ちなみに楽天モバイルのバンド3にも対応しているので、楽天モバイルのSIMも使えるはず。キャリアモデルの場合、他キャリアのバンドは対応していない場合がある。
例えばXperia 1 IIの場合、ドコモ版の5Gはn78(3.7GHz帯)とn79(4.5GHz帯)しか対応しておらず、auのn77(3.7GHz帯)は対応していない。反対にau版はドコモのn79をサポートしていない。LTEについても、ドコモ版はauのバンド18/26(800MHz帯)は対応しておらず、au版はドコモのバンド19(800MHz帯)は対応していない。バンド1(2GHz帯)や3(1.7GHz帯)などドコモ版とau版の両方が対応している周波数帯もあるので、ドコモ版でauのSIMが、au版でドコモのSIMが全く使えないわけではないが、先述した周波数の“抜け”が少ないのは、SIMロックフリー版のメリットだ。
もう1つの大きな違いが、メインメモリと内蔵ストレージだ。Xperia 1 IIは、キャリアモデルのメモリ8GB、ストレージ128GBからメモリ12GB、ストレージ256GBに増量している。Xperia 1とXperia 5のメモリはキャリアモデルと同じ6GBのままだが、ストレージはどちらも64GBから128GBに増量している。3機種ともmicroSDスロットは備えているが、写真、動画、アプリなどを多数活用する人にとって、ストレージは大きいに越したことはない。
カラーでキャリアモデルにないのが、Xperia 1 IIのフロストブラック。ドコモとauが扱っている光沢感のあるブラックに対して、指紋の付きにくいマットな質感になっている。
日本独自の機能については、キャリアモデルでは採用していた「ワンセグ/フルセグ」がSIMロックフリー版では非対応になった。おサイフケータイはXperia 1 IIとXperia 5は対応しているが、Xperia 1は対応していない。
【追記】Xperia 1とXperia 5のバッテリー容量は、SIMロックフリーモデルがキャリアモデルより増加しているが、これはソニーモバイルでバッテリーの表記基準を2020年度から見直したため。実際の容量はキャリアモデルと同じとのこと。
【更新:2020年8月24日15時46分 バッテリー容量について追記しました。】
気になる価格についてだが、Xperia 1 IIの12万4000円(税別、以下同)はドコモの11万2320円より1万円以上高いが、auの12万1455円と比べると大きな差はない。Xperia 1の7万9000円はauの8万4437円よりも安い。ドコモのXperia 1は既に販売終了しているが、発売時の9万3666円と比べると1万4666円安い。これでおサイフケータイに対応していれば、コストパフォーマンスが高いといえただけに残念だ。
一方、Xperia 5はXperia 1より1万円安い6万9000円でありながら、おサイフケータイにも対応している。ディスプレイのサイズは1より小さく解像度も4KではなくフルHD+だが、カメラの性能は同等なので、コストパフォーマンスは十分だといえそうだ。
以上、キャリアモデルとの違いを見てきたが、SIMロックフリーモデルは、デュアルSIM、幅広い対応バンド、増量されたストレージなどに魅力を感じた人にオススメできそうだ。
【訂正:2020年8月24日15時46分 Xperia 1のスペック比較表で、おサイフケータイについて、SIMロックフリーが「○」、キャリアモデルが「−」となっていましたが、正しくはSIMロックフリーが「−」、キャリアモデルが「○」です。おわびして訂正致します。】
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