5G対応TORQUEは今春登場! 京セラがタフネス端末の戦略を説明(2/2 ページ)
京セラが「30th Anniversary 特別企画」の第3回で高耐久端末事業について説明。日本では「TORQUE」がおなじみだが、スマートフォン以外の高耐久端末も多い。高耐久技術の汎用端末への横展開も検討している。
5G対応の高耐久デバイスも登場
京セラの現在の高耐久事業は、「専門性を持ったスマホ」と「汎用(はんよう)性のある非スマホ」の2分野が中心。専門性を持ったスマホとしては、法人で高耐久スマホの利用が拡大していて、まだまだ伸びると見込んでいる。「トランシーバーなど各種業務用端末のスマホへの置き換えニーズも多くなっている」(湯浅氏)。
国内法人市場では海外モデルを国内SIMロックフリーモデルとして販売している。導入から修理サービスまで一貫して請け負う「京セラモバイルサポート」サービスも提供している。
自然災害などの緊急時や非常時に安全を守る、高い信頼性、耐障害性を求められるミッションクリティカルなシステムにも、京セラのモデルが採用されている。「これは北米が中心だが、日本でも同様の動きがある」(湯浅氏)。例えば、2020年12月にプレス発表した「KC-PS701」は、非常時でも安定した通信を提供できる自営無線システム、MCAアドバンスの対応無線機として採用された。高耐久であることはもちろん、軽量小型やジャパンメイドの信頼性などが評価された。
高耐久技術の汎用端末への横展開も検討している。高耐久性スマホは大きさ、重さがネックだが、「そこまでの頑丈さを求めず、モビリティを重視したライトラグなスマホ」(湯浅氏)を展開し、事業拡大を目指す予定だ。
スマホではないが、2月発売の「DIGNO Tab」は、その方向性を示す一例だ。防水防塵、落下75センチ、耐薬品性能などを実現した高耐久な汎用タブレットで、法人からDX推進のアイテムの1つとして引き合いがあるという。
「タブレットは表示デバイスとして、倉庫管理や、製造状況把握のために製造現場などで使われている。飲食業の注文端末としても普及しているが、これまで業務用に工夫されていなかった。耐衝撃、防水・防塵にしっかり対応することで引き合いがある」(湯浅氏)
複数のデバイスを5G接続可能にする「5Gコネクティングデバイス」の本格販売も今春予定している。発熱の問題を廃熱構造や冷却ファンによってクリアし、1台でさまざまな機器を5G接続することができる。2020年10月の発表以降、多くの引き合いがあるという。これについては、第5回の事業説明会で詳しく紹介するとしている。
5G対応の新商品も紹介された。1月発表の北米向けモデル「DuraForce Ultra 5G UW」はDuraForceシリーズのスマホとしては3代目で、5.45型ディスプレイ、4500mAhのバッテリーを搭載。Snapdragon 765Gを採用し、シリーズで初めて5Gモデルとなった。持ちやすさを兼ね備えたタフネススマホで2月以降に発売される。
また、5Gに対応した新TORQUEがいよいよ今春発表となる。こちらも後日、改めて紹介するとしている。
高耐久事業で目指す未来
防水・防塵が携帯電話の使い方を変えたように、今後は高耐久技術によって、通信機器を持ち込めなかった場所にも5G端末を持ち込めるようになり、新たな世界が広がると期待する。過酷な労働環境ではトランシーバーやボディーカメラとなり、エクストリームスポーツやアウトドア環境では、「5Gでリアルタイムに情報を取り込み、映像に加工することで、さらに臨場感あふれる映像を作ることが可能になる」と湯浅氏は語る。
多視点映像など、5Gを使ったスタジアムでの新たな観戦スタイルも話題になっているが、「京セラの機器なら雨風や衝撃も気にせず観戦に没頭できる」と湯浅氏はアピール。新たなパートナーとも連携し、新しいことを探していきたいと意気込んだ。
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