「razr 5G」を試す 荒削りな部分もあるが、“縦折り”ならではの体験は魅力:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
ソフトバンク初のフォルダブルスマートフォンとして、モトローラの「razr 5G」が日本に上陸する。折りたたんだ状態のrazr 5Gは、ポケットにしまいやすく快適に持ち運べる。折りたたんだままアウトカメラで撮影できるのはメリットだが、約18万円という価格を考えると、シングルカメラには不満を覚えた。
持ち運びやすいコンパクトさ、クイックビューディスプレイも便利
モトローラでプレミアム・フラグシップ製品担当のジェネラルマネージャーを務めるジェフ・スノー氏によると、「最近のスマートフォンはサイズが大きくなっているが、1日中スマートフォンを触っていなくてもいい人のニーズが満たされていない。持ち運びやすいのと同時に、従来のサイズで使えるようにする必要があった」という。ディスプレイの大型化に伴い、スマートフォンは徐々に大型化している一方で、持ち運びやすさが犠牲になっていたというわけだ。
確かに、折りたたんだ状態のrazr 5Gは、ポケットにしまいやすい。特に、21:9のディスプレイを搭載したスマートフォンは、縦のサイズが長く、ポケットの深さによっては、頭が顔を出してしまうことがある。折りたたんだ分、厚みは増してしまうが、razr 5Gは小さめのポケットにもしっかり収まる。バッグの中の小物を収納するポケットにもしまいやすい。折りたためば、ディスプレイが他のものと当たって傷がつく心配もないため、心理的な面でも持ち運びやすいといえそうだ。
開閉が必要になる分、ストレートなスマートフォンより手間がかかりそうだが、スノー氏によると、「閉じた状態でのエクスペリエンスをいろいろと考えた」という。背面に搭載されたクイックビューディスプレイは、フィーチャーフォン時代のRAZRとは異なりタッチパネルで、閉じたままでも操作が可能。横長の3:4とアスペクト比はやや特殊だが、アプリを起動させることもできる。メールやマップ、SNSアプリなどは、このディスプレイにそのまま表示できるため、新着の情報を少し確認する程度であれば、端末を開く必要すらない。
おサイフケータイに非対応なのは残念だが、PayPayやau Payなどのアプリは、起動させてバーコードやQRコードを表示させることもできた。また、クイックビューディスプレイでアプリを起動させたまま本体を開くと、「開いてメールの続きを読んだりすることもできる」(同)。例えば、着信したメールをクイックビューディスプレイで見て、返信が必要だと思ったときには本体を開ける。ただし、Chromeは非対応。クイックビューディスプレイはrazr 5G側からは外部ディスプレイと認識されるため、アプリの初回起動時には、権限を与える必要もある。
razr 5Gは、カメラがクイックビューディスプレイの上に搭載されているため、折りたたむと、ユーザー側を向く。このカメラを使用して、セルフィーを撮ることが可能だ。モトローラ独自のカスタマイズで、本体を振るとすぐにカメラが起動するため、画面を何度もタップする必要はない。一般的なスマートフォンは、メインカメラとは別にセルフィー用のインカメラを搭載しているが、画質はメインカメラに劣る傾向がある。対するrazr 5Gは、通常の撮影もセルフィーも同じカメラを使うため、画質に差はない。
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