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なぜ10GBまで1GB刻みに? 「イオンモバイル」新料金プランの狙いを聞くMVNOに聞く(2/4 ページ)

4月1日に料金プランを改定したイオンモバイルは、値下げするのと同時に、10GBまでのデータ容量を1GB刻みにした「さいてきプラン」を導入。値下げの反響は大きかったというイオンモバイルだが、1GB刻みのデータ容量を、本当にユーザーが選べるのか。そこには、データの繰り越しと、プラン変更のしやすさが関係していた。

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データ容量の繰り越しとプラン変更で安くできる

―― ただ、1GB刻みをユーザー自身が選ぶのは難しいような気もしています。この辺は、店頭でのサポートが強力なイオンモバイルならではということでしょうか。

河野氏 店頭にはスタッフがいるので、相談ができます。どのぐらいお使いですかと伺って、ご提案をしています。われわれは小売業なので。1GB刻みの料金プランはむしろスーパーとして当たり前の発想なんです。単身赴任の方が増えたら1人用の食品を用意しますし、魚も切身で販売します。

間野氏 接客できる従業員がしっかりいるのは大きいですね。接客の際には、料金重視かデータ容量重視といった最適な使い方をしっかりヒアリングしています。従業員には、お客さまのプランを設計するという気持ちを持ってほしい。ここからどうぞというのではなく、最適なプランを選んでわれわれから提供するということです。そこが他社のやり方と大きく違うところです。シニアの方も含め、一緒に料金プランを考え、最適なプランを選んでいただきたいという思いがあります。

井原氏 一番人気は4GBプランで、ユーザーにはデータ容量が余ったら翌月少なくしてもいいとお伝えしています。迷っているなら、取りあえず3GBや4GBに申し込み、月末に少ない容量に切り替えれば、無駄なく使えます。店頭では、さらに接客しやすくなったと好評ですが、実はWebの方が伸びているんです。

イオンモバイルイオンモバイル イオンリテールの住居余暇・H&BC本部 アプライアンス商品部 モバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原龍二氏(写真=左)、イオンリテールの住居余暇・H&BC本部 アプライアンス商品部 モバイルユニット イオンモバイル通信開発リーダーの間野耕司氏(写真=右)

―― それは意外です。ユーザーによっては月ごとの変動が多いと思いますが、プラン変更で対応するということでしょうか。

井原氏 マイページは簡単に見られます。例えば5GBプランを使っていて、2GB余ったら、翌月から2GBに変更すれば計4GB使えて料金も下がります。それでも余ったら、今度は1GBプランにすればいい。この使い方でプランを変えていくと、3GBプランをずっと契約しているより安く使えます。

 料金プランは、月末の前日まで変更できます。マイページのトップには料金プラン変更の入口を設けていて、プラン選択が簡単にできるようにしています。実際、プラン変更の量も多く、毎月何万件も受け付けています。

―― イオンモバイルの場合、シニアの方が多い印象がありますが、プラン変更が多いというのは驚きです。

井原氏 僕らもそういったイメージがなかったのですが、繰り越しがいいというシニアも多くいます。シニアと言っても、リテラシーの高い方が多いのかもしれません。店頭でご説明しているのも、大きな差だと思います。

―― 段階制にして、自動で最適な料金になるような設計もできたと思いますが、そういったことは検討されたのでしょうか。

河野氏 していません。段階制プランはお客さまにとって、便利ではないからです。もともと料金を下げたくてイオンモバイルに来ているのに、気づいたら料金が上がってしまうのは怖くて使いづらいと思います。ですから、料金についてはデータ容量を超えたら速度が遅くなるという設計にしています。足りない場合は、1GBあたり528円のクーポンも提供しています。

4〜5GBプランが主軸、20GBプランのユーザーも増えている

―― 先ほど4GBが一番人気というお話がありましたが、容量はそこに集中しているのでしょうか。

間野氏 改定前後の比較では、1GBから3GBまでの低容量が大きく減りました。結果として主軸となっているのが4GB、5GBで、大容量はahamoを検討したような方が、14GB以上、30GBぐらいにいます。やはり店頭サポートや端末の修理をどうしようと考えるようです。全国211店舗でしっかりとしたサポートがあり、かつ20GB同士で比べても比較的安いということで、大容量を選ばれる方もいます。ただし、全体感としては、1〜3GBより上のプランを選ばれる方が増えています。

井原氏 料金的に今まで一番安かったのは500MBプランでしたが、値下げの結果、それぐらい出すなら、ということで4GB、5GBのプランを選ぶ方が増えています。

―― ということは、データ容量の平均は上がっているということですね。

井原氏 はい。上がっています。

間野氏 シニア専用プランのデータ容量が大きくなったことも影響しています。やさしいプランは3GBで1078円ですが、最安のプラン(200MB)との差は110円しかありません。やさしいプランの通信速度は500kbpsですが、店頭でヒアリングすると、天気予報やYahoo!のニュースを見る他は、お孫さんとLINEをするぐらいという方も多く、本当にLTEの速度が必要かどうかはしっかり検討する余地があると感じています。そういったことも、イオンモバイルなら提案できます。

イオンモバイル
60歳以上のユーザー向け「やさしいプラン」も値下げ。月額1078円で3GBのデータ通信が利用できる

―― 大容量プランも増えているという話がありましたが、こちらはどのようなユーザーが使っているのでしょうか。

井原氏 20GBが増えているのは、シェアの関係もあります。シェア音声プランの20GBの料金は2728円ですが、家族4人で使うと4048円、1人あたり1012円で5GB使えます。シェアプランをやっているところが減ったのも大きいと思います。

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