「AQUOS R6」はどんな人向け? 「ライカ」「1型センサー」のカメラを徹底検証する:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
シャープの最新スマホ「AQUOS R6」が6月25日に発売された。その最大の特徴は、なんといっても「ライカと協業した2020万画素の1型センサー」だ。アスペクト比も一眼レフと同じ「3:2」で、果たしてこれは「スマホ」なのか、「カメラ」なのか。
超広角夜景を撮るならAQUOS R6が断トツ
さらに圧巻なのは夜。写真モードでもAIをオンにすると自動的にナイトモードになってくれるし、別途ナイトモードに切り替えてもいい。せっかくなのでいつもよりより暗いシーンで、19mmで撮影してみた。
で、今回、三脚モードがついた。三脚を使うと、自動的にそれを認識して(つまり完全に静止しているかどうかを見ている)、三脚モードに切り替わるのだ。
そうすると30秒の超スローシャッターになり、より高画質な夜景を撮れるのである。しかもかなり暗くてもToFセンサーがAFを補助してくれるのでピントが合う。
これはめちゃきれい。夜は小さな三脚をバッグの隅に入れておきたくなるレベルだ。
では、次は連写機能や夜のロケーションを試してみる。
もう1つ、AQUOS R6のよさはシングルカメラであること。大抵のスマホは一番高性能なのが「広角カメラ」なので、夜景撮影時はどうしても、結局広角カメラで撮るのが一番だね、となっちゃうのだけど、AQUOS R6は望遠でも超広角でもきれいに撮れるのだ(まあセンサーが同じだからね)。超広角夜景を撮るならAQUOS R6が断トツだ。しかも、同じようなセンサーを使っているハイエンドコンデジとは違い、スマホならではの画像処理(特にオートHDRやAIシーン認識など)も加わっているので強力なのだ。
光学式手ブレ補正を持たないのが若干不安ではあったが、手ブレ補正への対応はしており、室内など明るくない場所ではISO感度を上げることでシャッタースピードを高めに保つ。ISO感度を上げると画質が落ちるが、AQUOS R6はセンサーサイズが大きいので多少ISO感度を上げても十分なクオリティーを保ているのだ。
電子式の手ブレ補正をかけているので、使っていて手ブレが気になることはなかった。詳細は不明だが、どうやら連写して一番ブレていないカットを選ぶなどの処理をしているようだ。
暗いときでもシャッタースピード1/100秒で、ISO感度を上げているようだ。これは夜の公衆電話だが、ISO1451で1/100秒だった。むしろクオリティーを保てるならシャッタースピードは速めの方が被写体もぶれづらくてよい。
連写はシャッターボタンの長押しで。100枚まで連写してくれる。
動画はもちろん4K。撮影しながら自動的に静止画も撮ってくれる「AIライブシャッター」や、長いビデオからダイジェスト動画を作ってくれる「AIライブストーリー」など、AQUOSならではの機能ももちろん搭載している。
で、もともと高画質なので、4K動画中にAIライブシャッターで撮った写真もキレイなのだ。
そうそう、一応インカメラも。インカメラは1200万画素。
シングルカメラならではの良さがここに
AQUOS R6のカメラが見た目の割に(なぜこんなに薄いボディーに1型センサー+レンズが入るのだ?)、高性能なのでその辺りを集中的に見てきた。
ライカが全面協力! ってところに心引かれた人が「カメラだー」と思って使うとちょっと拍子抜けするかも。絞りはF1.9固定だし、カメラアプリは従来のAQUOSを受け継いでいてとっても“スマホカメラ”だからだ。そこは普通にカメラ性能が高いスマホを求めている人向け。マニュアル撮影モードはもうちょっとカメラっぽい造りにしてもよかったかと思うけど。
そこはパナソニックがかつて出していた「DMC-CM1」と違うところだ。あれは名実ともにデカい画面を持ち、スマホとしても使えるカメラだったから。逆に、普通に高性能なシングルカメラを搭載したスマホと思うとすごく魅力的だ。
光学式手ブレ補正がない点は使っていて気にならないし、超広角でも望遠でも画質は安定しているし、何より階調が豊かで高感度にも強くて(多少暗くてもシャッタースピードが落ちないのがいい)魅力的だ。AF回りに不満を感じることはあるけれども、全体としてはすごくよい。0.7xから2xまで、どこで撮っても高画質なスマホカメラが欲しい人におすすめだ。
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