2020年度の中古スマホ販売台数は185万台に増加、SIMロック禁止も追い風に
MM総研が9月14日に、中古スマートフォンの国内市場についての調査結果を発表した。「2025年に中古スマホの取引市場は268万台に拡大する」と予測している一方で、アンケートでは約40%が直前に利用した端末を家に保管すると答え、下取りサービスの利用が約80%、中古ショップへの売却も7%程度にとどまった。
MM総研は9月14日、中古スマートフォンの国内市場規模の推移、およびWebアンケートと中古スマホの販売事業者に取材した結果などに基づいた推計を発表した。
市場規模の算出には、オンラインフリーマーケットサービスのデータとして中古スマホECサイト「にこスマ」を運営するBelong(東京都渋谷区)のデータを参照した。アンケートの調査対象は15〜69歳の男女合計2万4476人で、2021年7月に実施した。
2020年度の中古スマホ販売台数は185万台で、2019年度と比べて13.5%増加。MNO4社やMVNOの通信料金引き下げの他、ビジネス利用として2台目のスマホを持つユーザーが増えたためとしている。MM総研は2021年度の市場規模を2020年度比で10.3%増加した204万台と予測し、2025年度には268万台に達するという。
MM総研は市場規模が拡大する要因として、10月1日に施行されるSIMロックの原則禁止と、中古端末を取り扱う事業者の自社ECサイト、フリーマーケットなどでの取引の増加を挙げている。
Belongが集計した中古スマホのフリーマーケットサービスにおける取引実績は2019年度で38.6万件、2020年は44.1万件と増加しており、中古スマホの23.8%はフリーマーケットでの取引で、今後フリーマーケットやECサイトを活用した取引が増加すると予測している。
メインで利用する端末は「新品」がほとんど
アンケートでは、現在メインで利用する端末は83.9%が「新品で購入したスマホ」と答えた。次いで「新品で購入したフィーチャーフォン」が7.0%となり、「中古で購入したスマホ」は2.5%、「中古で購入したフィーチャーフォン」は0.4%だった。
中古スマホの購入額は「1万〜1万4999円」が11.5%と最も多く、「1万5000〜1万9999円」が11.0%、「2万〜2万4999円」が9.9%と続く。それぞれの選択肢の金額の平均と人数による加重平均で算出した中古スマホの購入額の平均は2万4863円だった。
比較対象として新品スマホの購入額を聞くと、「3万〜3万9999円」が8.7%、「2万~2万9999円」が7.6%で、「5万〜5万9999円」が6.6%となり、加重平均により算出した平均購入額は6万1158円だった。これに対して「わからない」が32.3%で、MM総研は契約回線の利用料金と端末の割賦代金を合わせて支払っているためと予想している。
直前に利用したスマホは「家で保管」がほぼ半数
現在新品のスマホを利用し、携帯回線を契約している人のうち、直前に利用していた端末の状況について聞くと「利用せずに家で保管」が40.4%、「下取りサービスに出した」が23.3%、「SIMカードを入れずにWi-Fi通信で利用」が8.3%となった。
売却や下取りに絞った場合の内訳は「下取りサービス」が81.1%、「Apple Storeで下取り」が8.7%、「オンライン含む中古ショップで売却」が7.6%、「ネットオークション、フリーマーケットサービスで売却」は2.7%だった。
売却や下取り時の金額は、「5000〜9999円」が11.6%、「1万〜1万4999円」が8.1%で、「2500〜4999円」が5.8%だった。「わからない」と回答したのが53.9%となったが、契約キャリアの下取りサービスを利用した結果だとしている。加重平均により算出したスマホの売却、下取り金額は1万4184円だった。
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