ソフトバンク榛葉副社長に聞く 5Gエリア展開からPayPayキャンペーン、SoftBank Airまで(3/3 ページ)
ソフトバンクが5Gエリア展開やスーパーPayPayクーポン、5G対応のSoftBank Airなどを発表。5Gは2021年10月に人口カバー率80%を達成予定だが、これは当初から予定していたことなのか。PayPayでソフトバンクのスマホユーザーに限定したキャンペーンを実施する狙いは?
SoftBank Airの5G料金はトータルで判断
―― SoftBank Airで5Gが始まりましたが、価格(月額5368円)だけを単純に比較すると、他社より少し高い印象もあります。これについての優位性はいかがでしょうか。
榛葉氏 1つは「おうちの電話」で、切り口は違いますがトータルで考えると非常に安い。2年間ですが、「Air4」をご契約の方が4180円になるキャンペーンもあります。Air4のお客さまにはとても好評で満足いただいていますが、今のままの金額で「Air5」もお使いいただけるということをトータルで判断しました。
佐々木氏 榛葉の申し上げた通りですが、われわれ自身、年間ぐらい「動かないワイヤレス」をやってきました。動かないワイヤレスは、品質をいかに担保するかが重要で、100円、200円の差以上に安定したサービスをいかに提供するのかが大切になります。Air5は5G対応の第1弾ですが、細かいところでは、われわれのルーターには8つのアンテナが入っていて、受電状況がいい4つを選んで動くようになっていたり、Wi-Fi側にも最新のスペックを入れたりしています。こうした点をご理解いただければ、金額にも納得していただけると思います。
―― SoftBank AirとSoftBank光はともに伸びていますが、比率はどの程度なのでしょうか。
榛葉氏 比率は非公開ですが、ご想像の通り、SoftBank Airがけん引しています。速度も(光と)近くなっていますが、工事が不要というのはコロナ禍にもマッチしていると考えています。
取材を終えて:ソフトバンクへの移行を増やしてARPUを上げられるか
5Gのエリア展開を加速させているソフトバンクだが、新周波数帯と転用周波数帯をうまく使い分けつつ、エリア端の対策を施すことで、快適に使える環境ができているようだ。エリアが広いことで、5G対応のSoftBank Airのようなサービスも生きてくる。スマートフォン側の施策は、キャンペーンが中心だったが、自社グループの強みであるPayPayをうまく活用している印象だ。
インタビューでは触れなかったが、Googleの「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」の導入をいち早く発表したり、バルミューダ初のスマートフォンを独占提供したりと、Androidは独自色に力を入れている。目下、Y!mobileが好調でユーザーを増やしているが、ARPUが低いのはソフトバンクにとって悩みの種だ。こうした施策を組み合わせつつ、ソフトバンクブランドに移行するユーザーをいかに増やしていくかが、今後の課題といえる。
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