独自プロセッサ×高画素カメラの効果はいかに? 「Pixel 6 Pro」全力レビュー(前編)(1/3 ページ)
Googleの新スマートフォン「Pixel 6シリーズ」の上位モデル「Pixel 6 Pro」は光学ズーム付きカメラを初搭載している。独自開発プロセッサ「Tensor」との組み合わせはいかほどのものか、チェックしていこう。
Googleは10月28日、フラグシップスマートフォン「Pixel 6シリーズ」を発売する。Google Store(Web直販)における税込み販売価格は、「Pixel 6」は7万4800円から、「Pixel 6 Pro」は11万6600円からとなっている。
今回、シリーズの上位モデルであるPixel 6 Proを一足早く試す機会を得た。1週間ほど試用した上での感触を2回に分けて紹介する。前編では、Pixel 6 Proの特徴と、カメラ機能をチェックしていく。
Pixelスマホ最大の進化を遂げたPixel 6シリーズ
Pixelブランドのスマートフォンは、Androidプラットフォームを主導するGoogleが「Googleのスマホ」として2013年に登場した。日本では2018年10月に発売された第3世代の「Pixel 3」「Pixel 3 XL」から販売されている。
Pixelスマホとしては第6世代となるPixel 6シリーズは、歴史上一番大きな“変化”を遂げている。一番象徴的な変化は、プロセッサ(SoC)をQualcomm製のものから自社開発の「Google Tensor」に変更したことである。プロセッサの変更に伴い、カメラやディスプレイを始めとする性能向上も行っている。
ボディーがカメラ部分を“強調”するデザインとなったことも、大きな変更点だ。過去のPixelスマホを振り返ると、カメラの機能を強調することはあっても、カメラ自体を目立たせることはなかった。ある意味で大きな方針転換ともいえる。
カメラを強調したボディーデザインに
先述の通り、Pixel 6シリーズはカメラ部分を強調するようなデザインを採用している。背面のアウトカメラ周辺部は「カメラバー」という名称が付けられており、大きく出っぱっている。
背面の色合いは、カメラバーを挟んで上下で異なる。今回のレビュー機は「Stormy Black(嵐のような黒)」というカラーだが、カメラバーの上は灰色、下は黒という取り合わせでシックな印象を受ける。
色の配色がなされている。レビュー機のカラー「Stormy Black」は比較的落ち着いた色使いで、上部が灰色、下部が黒という取り合わせだ。
背面と画面のガラス素材は、傷付きにくく割れにくいことで定評のあるCorning製の「Gorilla Glass Victus」を採用している。滑らかなガラスの手触りは、ハイエンド機にふさわしい質感を持つ。
「カメラがこんなに出っぱっているのはなぁ……」と思う人もいるだろう。しかし、スマホのカメラセンサーの高画素化/高画質化が進むと、小さなボディーに大きなセンサーやレンズを収めることは困難だ。画素数や画質を重視するアウトカメラを持つスマホは、レンズを含むカメラユニット“だけ”が大きく出っぱるようなデザインを採用する傾向にある。
そんな中、Pixel 6シリーズでは、アウトカメラやそれに関連するコンポーネントをあえて横に並べ、カメラバーとして大きく出っぱるようにデザインした。このことは、アウトカメラの「出っぱり感」を緩和する観点では、思った以上に効果的である。想像よりも悪くない。
何より、背面を下にして机上に置いた際にやや手前側に傾いて安定するので、安心感も高い。ガタガタしないことは良いことなのである。
Pixel 6 Proは、6.7型の大画面にトリプルカメラを搭載している。それだけに、重量は約210gとそれなりにある。持つとズッシリと来ると思いきや、ボディーの中央部に重心が来るように設計されているので、重量の割には持ちやすい。うれしい誤算だ。
ただ、重量があることには変わりないので、長時間持つと手が疲れやすい。カメラバーに人差し指をかけて支えると、負担が抑えられるだろう。
「それでもカメラバーの出っぱりがどうしても気になる」という人は、Google純正のシリコンケースを利用すると良い。ケースの背面は、カメラバーの部分が大きく切りぬかれており、装着するとカメラバーの部分がほぼ平らになる。
「そうなると、ケースを付たらカメラバーが傷付きやすくなるのでは?」と思うかもしれないが、ケースの切り抜きの周辺部の出っぱりによって、背面から落下した場合にカメラバーが傷付くリスクは軽減されている。
なお、Pixel 6シリーズには、従来のシリーズにあった、ファブリック地のケースは用意されていない。
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