「Xperia PRO-I」の実機に触れて撮影してみた レンズの出っ張りや可変絞り機能はどう?(1/3 ページ)
カメラ機能に特化したプロ向けスマートフォン「Xperia PRO-I」の実機に触れた。1型センサーを搭載しているということでレンズの大きさが気になるが、出っ張りはどうか。AFの精度や可変絞り機能も試した。
ソニーのスマートフォン「Xperia」のプロ向けシリーズ「Xperia PRO」。その第2弾製品として「Xperia PRO-I」が発表された。短時間ながら、メディア向けの体験会で実機に触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けする。
1型センサーを搭載しながら軽快に動作するカメラ機能
Xperia PRO-Iは、「Imaging」の「I」を名称に冠している通り、カメラ機能を特に強化したモデルだ。それを象徴するのが、メインカメラに採用された1型センサーだ。
過去にはパナソニックの「DMC-CM1」が1型のセンサーを搭載していたが、2021年になってシャープが「AQUOS R6」を、ライカが「LEITZ PHONE 1」でそれぞれ1型センサーを採用して話題になった。そしてさらに登場したのが今回のXperia PRO-Iだ。
センサーサイズが大きいほど1つの画素が大きくなり、多くの光を取り込めるようになる。その結果、画質が向上するため、昨今はスマホカメラでもセンサーサイズの大型化が著しい。
とはいえ、1型サイズともなると高級コンパクトデジカメにも採用されていたレベルで、スマホサイズに収めるにはさまざまな困難がある。これまで1型センサーを搭載したスマホカメラは、どうしてもレンズユニットが大型化し、カメラ部のサイズが肥大化してしまう。
ところが、今回のXperia PRO-Iは一般的なスマホカメラと比べても大きすぎるわけではない。カメラ部の出っ張りも最小限。もっと出っ張っている小サイズセンサーのスマホカメラもある中で、コンパクトに抑えている。
その秘密は、有効画素数を1220万画素に抑えた点にある。Xperia PRO-Iに使われているセンサーは、ソニーの高級コンパクトデジカメ「RX100VII」に搭載されていたセンサーをベースにしている。このセンサーは1型のExmor RS CMOSセンサーで、総画素数は約2100万画素、有効画素数は約2010万画素となっている。センサーのアスペクト比は3:2だ。
Xperia PRO-Iでは、このセンサーの中心にある1220万画素分を利用することで、センサー全面を使わずにレンズサイズの肥大化を防いだのだ。1型全体を使わないとはいえ、画素のサイズ(ピクセルピッチ)は1型センサーの2.4μmがそのまま利用できるので画質に違いはない。
ある意味、2100万画素の総画素数を全部使わないぜいたくな使い方ではあるが、その結果、レンズユニットのコンパクト化を可能にした。AF用レンズのサイズも小型になり、高速に駆動できることで、従来のXperiaと同等のAF速度を実現した。
センサーの世代も見逃せない。従来の1型搭載スマホカメラは、像面位相差AFセンサーのない世代の1型センサーを採用している。ローリングシャッターゆがみも発生することから、RX100でいえばRX100IIIあたりの世代のセンサーだろう。
それに対してRX100では、4代目からメモリ一体型積層型センサーを採用。処理速度が向上してアンチディストーションシャッターを搭載することでローリングシャッターゆがみを抑えることが可能になった。さらに5代目のRX100Vではこのセンサーに像面位相差AFセンサーを搭載。これによって位相差を使った高速なAFが可能になった。
RX100VIIではセンサーをさらに進化させ、AF速度が向上。357点のAFセンサーを配置して、撮像エリアの約68%をAFセンサーがカバーしていた。このセンサーを搭載したXperia PRO-Iは、さらに広い撮像エリアの約90%をAFセンサーがカバーしている(AF測距点は315点)。
1220万画素に抑えたこと、Snapdragonの高速処理など技術的な進化があったことで撮像エリアの周辺でも十分な性能が発揮できたことから、カバーエリアを90%まで拡大できたという。RX100VIIのセンサーを搭載するため、ローリングシャッターゆがみを抑えるアンチディストーションシャッターも継承している。
1220万画素に抑えたのは、他に搭載する超広角、望遠の2つのカメラと画素数をそろえるためだ。現状のXperiaは画素数を1220万画素に抑えたカメラを搭載し、複数のカメラを搭載する場合も画素数をそろえている。1型センサーでもそれを踏襲した結果、1型の画質でも高速AF、高速動作を実現したというわけだ。
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