「Xperia PRO-I」の実機に触れて撮影してみた レンズの出っ張りや可変絞り機能はどう?(2/3 ページ)
カメラ機能に特化したプロ向けスマートフォン「Xperia PRO-I」の実機に触れた。1型センサーを搭載しているということでレンズの大きさが気になるが、出っ張りはどうか。AFの精度や可変絞り機能も試した。
可変絞りでボケをコントロール
もう1つはメインカメラに可変絞りを搭載した点も新しい。過去にはSamsungのGalaxyシリーズで一時期搭載されたこともある可変絞りだが、PRO-Iでもこれを採用。F2.0とF4.0の2つを切り替える形なので、絞り羽根ではなく円形のパーツを組み合わせることで絞りを変化させている。
絞りをコントロールすると、レンズを通して得られる光量を制御できるが、Xperia PRO-Iの可変絞りではボケのコントロールを目的として可変絞りを採用している。レンズのF値を大きくすることでボケ量は少なくなるため、特に近接撮影でピント面以外がボケすぎてしまう現象が防げる。
最近のスマホカメラはF値が1.8など大口径になってきており、ピントが合う範囲である被写界深度が浅い。食事を撮影しようとしたら料理の一部しかピントが合わずに他がボケてしまう、という状況になりがちだ。通常のカメラであれば絞ることで被写界深度を深くして全体にピントが合うようにできるが、絞りのないスマホカメラでは難しかった。
これを物理的な絞りを搭載することでコントロールしようというのがXperia PRO-Iだ。開放F値は2.0と最近のスマホカメラとしては抑えめだが、これはレンズのサイズや性能を考慮した結果だという。それに可変絞りを加えて、F4.0も選択できるようにした。F4.0にしたのも、サイズと性能のバランスを考えたためだという。
広角カメラなので、ある程度離れた状態だと背景のボケはあまり発生しない。ただ、F2.0(写真=上)の方がシャッタースピードを稼げるため、ISO感度が低くなっていて画質は高い。とはいえ、右の画像のようにISO640ぐらいだと十分実用範囲だ
35mm判換算24mmのメインカメラでF4.0だと、被写界深度はそれなりに深く、料理などを撮影しても、よほど近づいて一部にクローズアップするなどしなければ全体にピントが合いそうだ。
初のツァイスブランドのレンズを搭載
メインカメラのレンズは、ツァイスの「Tessar」レンズを搭載。これまでソニーは、コンパクトデジカメのサイバーショットや交換レンズでツァイスブランドのレンズを製造してきたが、初めてXperia向けにツァイスブランドが採用された。個人的には、そろそろGレンズのブランド名も十分に育っていると思うので、改めてGレンズを打ち出してもいいように感じる(G Masterはさすがに難しいだろうが)。
なお、従来通りレンズ表面にはT*コーティングを採用しており、フレアやゴーストを最小限に抑えているとしている。
カメラ機能では、35mm判換算16mmの超広角、50mmの標準レンズを搭載したカメラを搭載。それぞれ従来のXperiaシリーズに搭載されていたような一般的なセンサーサイズだが、全て1220万画素に統一することで、撮影した画像の解像度がバラバラになることを避けている。
Xperia 1 IIIなどと同様に、物理的なシャッターキーを搭載している点も特徴だが、今回はさらにRX100シリーズのスイッチ部品を用いて、カメラのような使い心地を実現したという。実際に触ってみると、半押しの感触は軽め。Xperia 1 IIIと同じように半押ししようとすると全押しになってしまったが、慣れれば感触はいい。
Xperia 1 III(右)との比較。Xperia 1 IIIは電源キーの下にGoogleアシスタントキーがある。それに対してXperia PRO-Iはシャッターキーの隣に機能割り当てキーを搭載。シャッターキーも大型化している。ちなみにXperia 1 IIIと同様に、自立するのはうれしいところ
ストラップホールがある点は、最近のスマートフォンとしては珍しいが、カメラとしては正しい選択。ただし、サイズの関係から一般的なスマートフォンのストラップホールなので、太めのカメラストラップを装着することはできない。
Photography ProアプリはXperia 1 IIIと同様で、シャッターキーを使った撮影、素早く設定を変更できる設定パネルなど、カメラライクな操作で撮影ができる。基本的な撮影機能も同等。センサーサイズを考えると、Xperia 1 IIIのさらに上位モデルといっていいだろう。
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