4キャリアの5Gはどれだけつながり、どれだけ速い? iPhone 13シリーズで比較検証(4/4 ページ)
2020年に「iPhone 12」が発売された直後に5Gがどれだけつながるかを検証したが、当時はエリアが駅前などに限られていた。現在は山手線沿線ならばほぼ全域で5Gピクトが表示されるようになったが、実際はどうなのか?
検証の注意事項と結果一覧
5Gのエリア整備は各社とも整備途上にある。また、通信速度は利用時の混雑状況や回線の状況によっても異なる。あくまである時点での参考である点は留意してほしい。
検証では「iPhone 13 Pro」2台と「iPhone 13 mini」2台を用いて行った。東京では山手線主要駅を中心として東京都心の30か所程度を選定。沖縄では那覇市の那覇空港と観光地・国際通りで検証している。
検証は2021年9月末〜10月中旬にかけて、数日に分けて行った。ドコモの通信障害が発生した10月14日〜15日午後には検証を行っていない。
5Gの通信システムには大きく分けて3つの周波数帯が使われている。1つ目は既存の4G LTEと同じ3.5GHz以下の周波数帯で、「ローバンド」とも呼ばれる。ローバンドでは4G LTEとほぼ同等のカバーエリアと通信速度となる。
5Gで新たに割り当てられた周波数帯は2種類あり、1つは「ミッドバンド」と呼ばれる6GHz以下の周波数帯だ。ローバンドと合わせて「Sub-6」と呼ばれることもある。検証ではミッドバンド5Gとローバンド5Gの2種類に接続しているが、スピードテストアプリ上で区別をつけることは難しいため、いずれも「5G NR(新周波数帯)」として扱っている。
また、5Gでは「ミリ波帯」と呼ばれる広帯域の周波数帯も使用されている。現状ではエリアが極端に少ないため、例えば主要駅の出入口付近など、場所を限って展開されている。日本版のiPhone 13シリーズはミリ波帯をサポートしていないため、今回の検証では考慮していない。
調達できた機材の都合上、iPhone 13 ProおよびiPhone 13 miniを使用した。両モデルは本体の素材に違いがあるが、ハードウェアの違いによる通信速度の差が大きくないことを確認している。
検証は人の往来に配慮して行った。試行回数は3〜5回を原則として平均速度を記載している。ただし、鉄道乗車時の速度調査は1回のみの結果記載している。
おまけ:キャリア各社の5Gおすすめスポット
今回の検証にあたって、キャリア各社に「東京都心で5Gが体感できるスポット」の情報提供をリクエストした。各社が提示したスポットは以下の通りだ。なお、5Gの通信速度は周囲の利用状況や通信回線の状況によっても変わるため、必ずしも高速な通信できるとは限らない点は留意してほしい。
NTTドコモ
- JR東京駅 新丸ビル(3階、東京都千代田区)
- JR東京駅 八重洲中央口イベントスペース
- 東京スカイツリー 展望デッキ(フロア350、東京都墨田区)
- 東京スカイツリー ソラマチひろば
- 東京スカイツリー スカイツリータウン4階スカイアリーナ
- JR横浜駅 横浜モアーズ(1階、神奈川県横浜市)
au
- JR渋谷駅 ハチ公前広場(東京都渋谷区)
- JR渋谷駅 道玄坂上交番前交差点
- JR秋葉原駅 ヨドバシAkiba前(東京都千代田区)
- 東京ミッドタウン日比谷前(東京都港区)
- 東京国際フォーラム丸の内側広場(東京都千代田区)
- JR新橋駅 SL広場(東京都港区)
- JR品川駅(港南口)
- JR新宿駅 アルタ前(東京都新宿区)
- JR新宿駅 東口改札前(ルミネエスト前)
- 浅草 雷門(東京都台東区)
ソフトバンク
- 東京メトロ後楽園駅 東京ドーム前(東京都文京区、野球観戦のタイミングが重なると速度低下リスクあり)
- 東京メトロ後楽園駅 メトロ・エム後楽園
- JR秋葉原駅 ヨドバシAkiba前
- 都営三田線 三田駅(東京都港区、A6/A7出口付近)
- 東京メトロ東西線 東陽町駅 イースト21中央広場(東京都江東区)
- 東京メトロ東西線 西葛西駅(東京都江戸川区、北口)
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