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ドコモ、ケーブルに置くだけで機能するアンテナを開発 60GHz帯で実証実験に成功
NTTドコモは、ケーブル付近に設置して通信エリアを構築できるアンテナを開発。60GHz帯での実証実験に成功し、2022年度上期に5Gで利用している28GHz帯(ミリ波)での検証を開始する。
NTTドコモは、1月17日にケーブル付近に設置して通信エリアを構築できるアンテナ開発について発表した。60GHz帯での実証実験に成功している。
本アンテナでは高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)の誘電体導波路へ、プラスチック小片を接触させることで接触箇所から電波が漏えいするという物理現象を利用。実証実験では誘電体導波路を埋め込んだ板に本アンテナ(プラスチック小片)を置き、通信エリアの構築をはじめ範囲や方向のコントロールを確認したという。
5Gの28GHz帯(ミリ波)や6Gの高周波数帯の電波は直進性が強く、基地局から見通せない場所や周囲を障害物で囲まれた場所の通信エリア化が課題となっていた。本アンテナにより遮蔽(しゃへい)物が多い環境下でも高周波数帯のエリア構築が可能となる他、誘電体導波路から離せば電波の漏えいを止められるため、無駄な電力放射を低減できる。2022年度上期に28GHz帯(ミリ波)での検証を開始し、実用化を目指していく。
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