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「使い放題+エンタメ」プランを強化するau 5Gの利用拡大だけでない、もう1つの狙い石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

KDDIが、DAZNをはじめ、エンタメサービスをセットにしたプランを強化している。いずれのプランも、使い放題MAXと各コンテンツサービスをバラバラに加入していくより、トータルの料金は安くなる。こうしたパックプランには、5Gの利用シーンを拡大するという狙いがある。

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5Gの利用シーン提案が狙いのパックプラン、解約抑止にも効果が

 au、UQ mobile、povo2.0の3ブランドでサービスを提供しているKDDIだが、auは、データ通信が使い放題になる使い放題MAXを軸に、各サービスをバンドルしたプランを拡充している。主なプランは使い放題MAXと、データ容量に応じて料金が変動する「ピタットプラン」の2つだが、前者の使い放題MAXに、さまざまなサービスをバンドルすることで、料金プランの選択肢を広げている。ピタットプランはUQ mobileと比べると割高になるため、今auを選ぶなら、ほぼ使い放題MAXの一択と考えていいだろう。

 一方で、パックプランのバリエーションは非常に豊富だ。新設されるDAZNパックや、リニューアルされるALL STARパックに加え、以下の3パックを用意している。パックプランの先駆けとなったのが、NetflixとTELASA、Amazonプライムをセットにした「Netflixパック」(8338円)。動画中心のパックプランは、TELASAと「Paravi」「FOD PREMIUM」をまとめた「テレビパック」も展開する。Amazonプライムがつく「使い放題MAX 5G with Amazonプライム」も、パックプランの1つだ。DAZNパックとALL STARパックを加えると、パックプランは計5つになる。

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auの料金プランは、使い放題MAXが中心。サイトの料金ページにも、パックプランがズラリと並ぶ

 いずれのパックプランも、使い放題MAXと各コンテンツサービスをバラバラに加入していくより、トータルの料金は安くなる。ユーザーにとっては、ワンストップで契約できるのもメリットといえる。KDDIがパックプランを拡充しているのは、超高速、大容量といった5Gの魅力を、ユーザーに分かりやすく伝えるのが狙いだ。動画配信や音楽配信、クラウドゲームといった高速でかつデータ容量を消費しやすいコンテンツを全面に押し出すことで、5Gの用途が具体的にイメージしやすくなるからだ。

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5Gで利用意向の高い動画サービスをパックにすることで、ユースケースを提案するのがKDDIの狙いだ

 KDDIの代表取締役社長、高橋誠氏は「5Gを展開し始めてからよく分かってきたのは、利用シーンを提案しなければいけないということ」だと語る。また、KDDIのユーザーのうち「5Gをお選びになる方の約6割が無制限プランに入る」(同)というように、高速、大容量が売りの5Gでは、データ容量が無制限の料金が主流になる。これは、他社も同じだ。このような状況で差別化の軸になるのは、4Gまでのときのようなデータ容量ではなく、コンテンツだ。パックプランを拡充している目的は、ここにあると見ていいだろう。

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5Gでは、利用シーンの提案が重要だと語る高橋氏(写真提供:KDDI)

 KDDIにとってもう1つのメリットは、解約の抑止にありそうだ。高橋氏は「パックプランをお使いいただいたときの解約率は、極めて低い。(パックプランは)ライフタイムバリューの高いサービスだ」と自信をのぞかせる。総務省の競争促進政策により、各社とも2年縛りを廃止し、MNPの転出手数料も撤廃、端末も原則としてSIMロックフリーになった。料金を大幅に値下げしたサブブランドやオンライン専用ブランドが登場したこともあり、解約率は上昇傾向にある。この歯止めになるのが、パックプランというわけだ。

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第3四半期のマルチブランド解約率は0.79%と高止まりしている。パックプランには、これを抑える効果もあるという

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