ドコモがモバイル通信を使った固定電話に参入 3月下旬から「homeでんわ」を提供 月額1078円から(割引前):3大キャリアでは最後発
NTTドコモが、Xi(LTE)ネットワークを使った固定電話サービス「homeでんわ」を3月下旬から提供する。ドコモ携帯電話を持っているユーザーは「ファミリー割引」「ビジネス通話割引」のグループ内通話を無料で利用できる他、対象料金プランを契約していると月額料金の割引も受けられる。
NTTドコモは3月下旬から、モバイルネットワークを利用した固定電話サービス「homeでんわ」の提供を開始する。割引前の月額料金は1078円(税込み、以下同)からで、同社が指定するエリアにおいて提供する。サービスの開始に合わせて、同社は専用端末「homeでんわ HP01」(シャープ製)も発売する。
homeでんわの概要
homeでんわは、ドコモのXi(LTE)ネットワークを利用した固定電話サービスだ。利用する地域における固定電話用の電話番号が割り当てられるようになっており(※1)、NTT東日本/NTT西日本の加入電話(INSネット64を含む)からの番号ポータビリティも可能だ(※2)。
回線工事は不要で、電話番号の新規割り当てを受ける場合は契約当日から利用できる(※3)。電話機は固定電話用のものを専用端末につないで使う。ファクシミリの送受信も可能だ。ただし、サービスの特性から契約住所外での利用はできない。
(※1)緊急通報(110番/118番/119番)を行う場合、通報先の機関にはモバイルネットワーク用の携帯電話番号(070/080/090で始まる11桁)が通知されます
(※2)「ひかり電話」に由来する電話番号や、NTT東日本/NTT西日本以外の固定電話サービスに由来する番号は番号ポータビリティの対象外です。ただし、元の番号がNTT東日本/NTT西日本の加入電話に由来するものであれば対象となります
(※3)番号ポータビリティを利用する場合は、番号の移行手続きが完了した日から利用できます
料金プラン、オプション/割引サービス
homeでんわの料金プランは「homeでんわ ライト」と「homeでんわ ベーシック」の2種類が用意される。割引適用前の月額料金はライトが1078円、ベーシックは2178円だ。通話料金は、固定電話宛が3分ごとに8.8円、携帯電話宛が1分ごとに17.6円となる。
ベーシックプランには550円分の無料通話が付帯する他、以下のオプション(付加機能)サービスが無料で付帯する(ライトプランでも表記の料金を支払うことで利用可能)。
- 通話中着信:月額330円
- 転送でんわ:月額550円
- 着信を別の電話番号に転送できる
- 発信者番号表示:月額440円
- 「ナンバー・ディスプレイ」に対応する電話機で発信元の電話番号を表示できる
- ナンバー・リクエスト:月額220円
- 「番号非通知」で電話を掛けてきた相手に通知してかけ直すように促す(※4)
- 迷惑電話ストップサービス:月額220円
- 指定した電話番号からの着信を明示的に拒否したり、番号非通知からの着信を一括拒否したりできる
(※4)発信者番号表示のオプションサービス(利用するには発信者番号表示の契約が必要)
homeでんわは、ドコモ携帯電話の「ファミリー割引」「ビジネス通話割引」の対象となるため、両割引のグループに含まれる番号宛の国内通話は無料で利用できる。さらに、両割引のグループ内に以下の料金プランを契約しているユーザーがいれば、「homeでんわセット割」によって月額料金が528円引きとなる。
- 5Gギガホ プレミア
- 5Gギガホ
- 5Gギガライト
- ギガホ プレミア
- ギガホ(※5)
- ギガライト(※5)
- はじめてスマホプラン
- U15はじめてスマホプラン
- ahamo
- home 5G プラン
(※5)2019年10月1日から提供しているプラン(明細のプラン名に「2」が付くもの)のみ対象
契約時には、2200円の事務手数料がかかる。番号ポータビリティを利用する場合は、追加で「番号継続登録料」として2200円が必要となる。
エリアは「都市部を中心に順次拡大」
先述の通り、homeでんわはドコモのXi(LTE)ネットワークを利用している。そのため、理論上はXiネットワーク内であればどこでも利用できる。しかし、固定電話回線を代替するというサービスということもあってか、ドコモが指定するエリアでのみ提供することになっている。申し込みは、サービス対象エリア内のドコモショップと一部を除く量販店で受け付ける。
ドコモ広報部によると「当初は都市部を中心に面展開をする」という。サービス提供開始日の発表と同時に詳しい対象エリアを公開できるように準備を進めているようだ。
「ワイヤレス固定電話」で後発となるドコモ 競争は活発化する?
携帯電話ネットワークを利用する固定電話サービスは、KDDIが「ホームプラス電話」、ソフトバンクが「おうちのでんわ」という名称で提供している。そのため、ドコモのhomeでんわは“後発”のサービスということになる。
これらの「ワイヤレス固定電話」は、屋内に回線を引き込む工事が不要という点が最大のメリットだ。使い方によっては電話番号が居住地域とひも付いていることも利点となる。
一方で「携帯電話があるのに、あえて固定電話を引く必要があるの?」という疑問も沸く。ドコモの参入で、ワイヤレス固定電話の競争は激化するのだろうか……?
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