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SIMフリー「Galaxy M23 5G」を試す サムスンがオープン市場で成功する鍵は?石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

サムスン電子が満を持してオープン市場に投入するのが、「Galaxy M23 5G」だ。4月21日の発売に先立ち、同モデルを一足先に試用できた。これまで培ってきたGalaxyの知名度やブランド力がどこまで通用するかが、成否を決める鍵になりそうだ。

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5G対応だが対応バンドは要改善、デュアルSIMには便利な機能も

 型番通り、5Gに対応しているのもGalaxy M23 5Gの特徴だ。ミドルレンジモデルはもちろん、2万円台のエントリーモデルですら5Gに対応している端末がある中、5Gはもはや特別な機能ではないが、メーカーモデルではまだまだ4Gの端末も残っているため、一定の評価はできる。Y!mobileのSIMカードを挿し、5Gエリアで通信してみたところ、400Mbpsに迫る速度を記録した。ここまでの速度は、4Gのみの端末だとなかなか出ない。

Galaxy M23Galaxy M23 5Gに対応しており、エリア内であれば通信速度は速い(写真=左)。Y!mobileで5Gをつかんだが、400Mbps弱の速度が出た(写真=右)

 一方で、5Gの対応バンドが狭いのは、気になるポイントだ。スペック表では、n77(4.0GHz帯)とn78(3.5GHz帯や3.7GHz帯)のみとなっており、ドコモがマクロ局を展開するn79(4.5GHz帯)には非対応。n79に対応する端末より、ドコモの5Gエリアが狭くなってしまうのが難点だ。実際、n79に対応したドコモの「Galaxy Z Fold3 5G」と使い比べてみたが、やはり5Gをつかめる場所が少なかった。

 n3(1.7GHz帯)やn28(700MHz帯)にも非対応のため、KDDIやソフトバンクが4Gから転用した周波数も、ほとんどが非対応になってしまう。特に、プラチナバンドのn28が利用できないのが難点。対応モデルであれば、KDDIやソフトバンクは比較的広い場所で5Gを利用できるが、Galaxy M23 5Gでは4Gに落ちてしまうケースも多々あった。両社とも転用した周波数帯で人口カバー率を上げているため、メーカーモデルとはいえ、ここにはしっかり対応してほしい。

Galaxy M23
ソフトバンクのエリアマップ。東京都内は、駅周辺以外だと、周波数転用のエリアにつながることが圧倒的に多い

 通信関連では、日本で販売されるGalaxyとして初めてデュアルSIMに対応している。いわゆるDSDV(デュアルSIM/デュアルVoLTE)で、2回線とも4Gで音声通話の待受けが可能。データ通信には、どちらか一方のSIMカードを使用する。デュアルSIMの仕様は、他社のモデルとほぼ同じだが、2枚目のSIMカードとmicroSDが排他になっていない点はユーザーの利用シーンをきちんと考慮した仕様といえる。

Galaxy M23
2つ目のSIMスロットとmicroSDスロットが兼用ではないため、2枚のSIMカードとmicroSDを同時に利用できる

 内蔵ストレージは128GBだが、特に動画の撮影が多いと、すぐにいっぱいになってしまう。このようなときに、2枚目のSIMを挿していてもmicroSDでストレージを拡張できる。Galaxyならではなのが、設定を変更するための「クイックパネル」で、SIMの切り替えが可能なことだ。電話、SMS、データ通信にどちらのSIMを使うかを、素早く指定できる。設定アプリを開くよりも簡単で、SIMカードを小まめに切り替えて使い分けたい人には便利な機能だ。

Galaxy M23
クリックパネルで、通話、SMS、データ通信に利用するSIMカードをワンタッチで切り替えることが可能だ

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