楽天モバイル「0円廃止」の影響で各社の申し込み状況は? キャリアとMVNOに確認【更新】
楽天モバイルが7月1日から新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表したことで、各社の申し込み状況に大きな影響を及ぼしている。povoやIIJmioの他にも申し込みが集中しているサービスはあるのか。低容量プランを提供しているサービスを中心に確認した。
楽天モバイルが7月1日から新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表したことで、各社の申し込み状況に大きな影響を及ぼしている。Rakuten UN-LIMIT VIIでは、これまで1GB以下まで0円だったところ、月額1078円(税込み)に値上げされることから、1GB以下で運用しているユーザーの中には、他社への移行を検討している人もいるだろう。
povoやIIJmioには申し込みが集中して、本人確認やSIMの配送が遅延するという事態が起きている。では、他のサービスはどうか。低容量プランを提供しているサービスを中心に確認した。
NTTドコモ
ドコモのahamoは月額2970円/20GBから。低容量のデータ通信は提供しておらず、楽天モバイルの1GB以下とは直接的には競合しない。それでも「サービス個別の状況はお伝えできないが、ドコモ全体として13日以降、MNPは増えている」とのこと。
ソフトバンク
ソフトバンクは「具体的な数字は公表していないが、Y!mobileとLINEMOは好調。LINEMOについては、申し込みが集中してSIMの発送が遅れていたが、人員を増強して解消した」とのこと。LINEMOの「ミニプラン」は月額990円/3GBなので、楽天モバイルの1078円より安くなる。
5月20日11時20分更新
ソフトバンクによると、4月9日〜10日の週末と5月14日〜15日の週末を比較すると、MNPはLINEMOのミニプランが2.6倍以上、20GBのスマホプランを含めると2倍以上伸びているとのこと。またY!mobileも好調で、同時期とのを比較でMNPが1.5倍以上伸びているという。
LINEMOでは、ミニプランに申し込むと、PayPayポイント990円分を6カ月間プレゼントする「ミニプラン基本料半年間実質無料キャンペーン」を5月20日から実施する。
KDDI
既報の通り、povoへの申し込みが集中して、一時、本人確認が遅延する事態となった。KDDIによると、「5月13日の週末は、4月16日〜18日と比較して、povoの新規申し込みとMNPが2.5倍に増えている」とのこと。povoは基本料金0円で、データ通信はオプションのトッピングを選択する形となる。
【訂正:2022年5月20日17時30分 初出時、「前週末と比較して」としていましたが、KDDI側の説明に誤りがあり、正しくは「4月16日〜18日と比較して」でしたので訂正いたしました。】
IIJmio
既報の通り、「IIJmioモバイルサービス(ギガプラン)」「IIJmioモバイルサービス」「IIJmioサプライサービス」への申し込みが集中しており、本人確認と商品の発送に時間がかかっている。IIJmioの「ギガプラン」では音声SIMが3GBで月額850円、eSIMが3GBで月額440円という料金で提供しており、楽天モバイルの1078円より安い。
OCN モバイル ONE
OCN モバイル ONEは、月額550円で500MBの小容量プランを提供している。また、楽天モバイルの1078円を下回る金額のプランとして、月額770円の1GBコース、月額990円の3GBコースもある。NTTコミュニケーションズによると、「通常よりお申込数は増加傾向にある」とのことだった。
日本通信
日本通信は、1GBで月額290円からの「合理的シンプル290プラン」を提供している。同社によると、「サービス個別の状況は伝えられないが、申し込みが急増している」そうで、本人確認や配送のリソースを集中させているとのこと。
同社は2021年夏に、オペレーションセンターの拠点を東京から群馬県吉岡町に移しており、人員を増強。今回のように申し込みが急増しても、柔軟に対応できる体制を構築しており、今のところ大きな遅延は発生していないそうだ。
HISモバイル
HISモバイルは5月19日から新料金プラン「自由自在290」を提供する。このプランは3月に発表しており(プラン名などの詳細は未定だった)、先行エントリーを受け付けていた。5月13日以降、先行エントリーやWebサイトへのアクセスが急増し、「通常とは比べものにならないほどのPV増だった」とのこと。
また、HISモバイルでは「他社からのお乗り換えの増加や、新プランの提供開始に伴い大変多くのお客さまにお申し込みをいただいている状態」のため、本人確認や商品の発送に時間が掛かる可能性があるとの告知を出している。新プランは100MB未満は月額290円なので、低料金で維持したい層に関心を集めているようだ。
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルでは「5月13日以降、若干申込が増加している状況」とのこと。BIGLOBEモバイルでは月額1078円で1GBの「プランS(1ギガ)」を提供しており、楽天モバイルの1078円と同額。2回線目以降は「BIGLOBE家族割」によって、200円が割り引かれて月額858円で利用できる。
【更新:2022年5月20日11時20分 BIGLOBEモバイルの状況を追記いたしました。】
関連記事
- IIJmioにも申し込みが集中 本人確認と商品発送に遅れ 要因は非公表
インターネットイニシアティブ(IIJ)は、MVNOサービス「IIJmio」の本人確認手続きと商品発送について、通常よりも時間がかかる場合があると案内している。同様の事象はKDDIのオンライン専用プラン「povo 2.0」でも確認されていた。IIJ広報に、申し込み集中の主な要因が楽天モバイルからの転入なのかを尋ねた所、要因については公表していないとのことだった。 - povoに申し込み集中で本人確認に時間がかかる事態に 楽天モバイルからの移行も
auのオンライン専用プラン「povo」に申し込みが集中しており、本人確認に時間がかかっていることが分かった。5月14日9時頃からこの状況が続いているという。本人確認を行うスタッフを増員することで解消していくという。 - 楽天モバイルが新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」発表 月額0円は撤廃、7月から自動移行
楽天モバイルが、新たな料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を7月1日から提供する。現在提供している「Rakuten UN-LIMIT VI」では1GBまでは0円としているが、これを撤廃。最低料金を値上げした代わりに、楽天グループとのサービス連携を強化する。 - 楽天モバイル“0円撤廃”で業界に波紋 常識を覆す新プランは受け入れられるのか
楽天モバイルが新たに発表したプラン「UN-LIMIT VII」への反響は、これまでとは様相が異なっている。ネットでは「改悪」との声が多く、料金プランが自動移行されることに対しても批判が集まっている。悪い意味で“常識を覆す”モットーを実行してしまった楽天モバイルだが、挽回のチャンスはあるのか。 - 音声SIMが月額290円から HISモバイルが新プラン「自由自在290」を提供開始
MVNOサービス「HISモバイル」は新料金プラン「自由自在290」「データ定額 440」の提供を5月19日に始めた。自由自在290はデータ通信、音声通話、SMSをセットにし、主に音声通話を使う人やライトユーザーに向けたプランで、100MB未満だと月額290円からとなる。データ定額 440はデータ専用プランで、1GBで月額440円からとなる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.