モバイル版「Lightroom プレミアム」をiPadで試す デスクトップ版の代わりになる?(2/2 ページ)
RAWファイルを扱う写真編集ソフトは「Lightroom」が有名だ。PCで使うサブスクリプション型ソフトと無料で使えるスマホ/タブレット版があるが、「Creative Cloud」で利用しようとすると割高。そこで月額550円の「Lightroom プレミアム」を使い、手軽に写真編集を行おう。
全ての機能が使えるデスクトップ版のLightroomに劣らない
Lightroomプレミアムには他にも複数枚の写真を一括編集する、「山」「海」といったワードで写真を検索する、100GBのオンラインストレージで写真をバックアップする、プロの写真家が作った編集プリセットでワンタップで編集するといった機能もついています。
これらの機能は全ての機能が使えるデスクトップ版のLightroomに劣りません。Photoshopは利用しないしスマホやタブレットの編集で十分という人にはフォトプランではなくLightroom プレミアムというのもいい選択肢だと思います。
私が唯一困ったのが、スクトップ版Lightroomにあるフリンジ軽減の項目がなかったこと。フリンジとは、極端な明暗差があるときにその境界にできる偽色のことです。フリンジは最新のスマートフォンでも起きることがある現象で、本来は編集で簡単に取り除くことができるのですがモバイル版Lightroomではその補正項目が見当たりませんでした。
なお、Lightroom プレミアムには7日間の試用期間があるので、その間に自分が使いたい機能が使えるかどうかを確認することをオススメします。
Lightroom プレミアムは最新のiPadで真価を発揮する
Lightroom プレミアムは大画面のタブレットで利用することで真価を発揮します。特に、最新のiPad Proユーザーであれば、
- Thunderbolt 4対応のUSB-C端子による高速なRAWデータ読み込み
- 高品質なLiquid Retinaディスプレイでの編集
- パワフルなM1チップによる快適な編集と高速な書き出し
- Apple Pencilを使った細かいマスクや修正ブラシ
- 5Gによる高速データ転送(Cellularモデルのみ)
といったことができるので、軽量でコンパクトなiPad Proを写真の管理デバイスにすることが可能です。
実際に、私が使っているカメラのRAWファイルは写真1枚あたり70MBほどですが、USH-II対応のSDカードリーダーを使うことで30秒ほどで100枚の写真を取り込むことが可能でした。また、4200万画素で70MBのRAWファイルをいじるのにはマシンパワーが必要ですが、iPad Proはラグもなくサクサクです。(Snapdragon 860搭載のXiaomi Pad 5は1200万画素で30MBのApple ProRAWの写真でカクつきがひどかったです。)
Apple Pencilの応答速度も実用的であり、PCでは難しい細かいところの選択もできるので、非常に快適でした。
「写真はスマホでしか撮らないし、細かい編集はしない」のであれば無料のモバイル版Lightroomで十分です。一方で、一眼カメラユーザーにとっては高度な写真編集ができるLightroom プレミアムは魅力的です。特にタブレット(できれば最新モデルのiPad)があれば快適な写真編集ができるようになるため、Creative Cloudのフォトプランを契約中であれば、そこからの乗り換えも大いにありだと思います。
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