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「不適切な販売どうして放置?」「5Gで特徴的なサービスがない」 KDDI株主総会で指摘、高橋社長の答えは?(3/3 ページ)

KDDIは5月22日、第38期定時株主総会を開催した。2022年から2024年は5Gを中核に据えて事業変革を推進する。新中期経営戦略では、事業戦略を「サテライトグロース戦略」と位置付け、本格化を迎える5Gを中心に置き、通信を核とした注力領域を拡大していく。株主からの質問では、不適切な販売や3G停波後の影響、5Gサービスの今後について指摘があった。

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―― SpaceXの衛星ブロードバンド「Starlink」と業務提携した。自らやるのではなく、提携の道を選んだ理由を聞きたい。

KDDI
執行役員の松田浩路氏

執行役員 事業創造本部長 松田浩路氏 当社では50年以上に渡る衛星通信の歴史、技術ノウハウを持っている。今回、SpaceXが、日本でStarlinkを展開するにあたり、われわれの知見を生かし、両者のシナジーが生まれることでお客さまに新しい価値が提供できるのではないかということで、業務提携に至った。

 ロケット技術が発達して多くの衛星が打ち上がっているが、地上と通信することが大事になっている。KDDIの持つ地上局とインターネット回線がうまく先方のニーズと合致した。このサービスを使うと、今までよりも衛星の高度が60分の1ぐらい低いので、非常に高速で低遅延の通信ができるようになる。今まではエリア化が難しかったようなところでも、新しい展開ができるようになると思っている。2022年内に開始できるよう進めている。

高橋氏 自らやるかという話もあったが、やはり投資規模的に大きすぎたのと、われわれは新しい事業展開をする際にパートナーとの共創を重視している。宇宙分野で強いStarlink、国内の衛星通信に強いわれわれとうまく組むことで、事業を提供するのがいいのではと考え、このような選択に至った。

―― 事業戦略の中心に5Gを置いているが、際立ったサービス、特徴的なものが出てきていないのではないか。また、R&Dの取り組みもよく見えない。

高橋氏 エリアについては順調に拡大している。一部、半導体の問題などで遅れた部分があるが、人口カバー率90%を目指して着実に広げている。鉄道沿線などお客さまがよく利用するエリアを中心に5Gを広げているので、5Gをご覧いただくような機会はどんどん増えていると思う。

 4Gのときにはスマートフォンという特徴的なものが出たが、5Gの場合にはスマートフォンそのままの形で入ってきたので、目立つサービスがなかなかお客さまには届いてないように見える。実は4G端末と5G端末の通信トラフィックを比較すると、5G端末は2.5倍ぐらい使われている。動画サービスなどを生活動線の中でご覧になっている方が使い放題のプランに入って、安心にサービスを利用できるようになってきているのは事実かと思う。

 5G SAでサービスを提供できる時代が、これから起こってくる。そうなると、帯域を確保して大容量のサービスを提供でき、反応速度が非常に速いゲームなどのサービスが目に見える形になってくると思う。パートナーとともにわれわれのサービスを着実に広げられるように頑張っているので、ぜひともご期待いただきたい。

 R&Dの件については努力不足のところが確かにあるので、みなさんに(情報を)お届けできるようにしていきたい。

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