“メタバースなソフトバンクショップ”開設 24時間365日いつでもサポート
ソフトバンクは「ソフトバンクショップ in ZEPETO」を6月23日にオープンした。「ZEPETOアプリ」(Android/iOS)をスマホなどにダウンロードし、3Dアバターを作った上で同店へ来店すると、メタバース空間でアバターによる接客などが受けられる。サービスの契約や、端末、アクセサリーなどの購入はオンラインショップへ推移し、ユーザー自身が行わなければならない。
ソフトバンクはNAVER Z運営のメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」に、アバターのショップクルーが接客するバーチャル携帯キャリアショップ「ソフトバンクショップ in ZEPETO」(以下、ZEPETO店)を6月23日にオープンした。
「ZEPETOアプリ」(Android/iOS)をスマホなどにダウンロードし、3Dアバターを作った上でZEPETO店へ来店すると、メタバース空間でアバターによる接客などが受けられる。
10時から21時までの営業時間内は実際のショップスタッフがアバターに扮(ふん)し、ソフトバンクブランド、Y!mobileブランドのサービスについて応対する。営業時間外はオペレーター、またはAIボットによるチャットでサポートが受けられる。
ZEPETO店でアバターとして接客するのは、実店舗で接客しているショップクルーで、ZEPETO店のためだけに新たに人を雇うわけではないという。
アバターやオペレーターの役割はあくまでも相談やサポートにとどまり、サービスの契約や、端末、アクセサリーなどの購入はオンラインショップへ推移し、ユーザー自身が行わなければならない。
ソフトバンク サービス企画本部 メタバース・NFT部 土屋茉由氏によると、1ルームに最大16人まで同時に来店でき、来店者数が増えた場合は、ルームやクルーを増員するという。ユーザーによる来店予約は不要としている。
ちなみに、ZEPETOアプリではルームを複数作成できるため、さまざまな店舗へ来店してもらうことも可能だと同氏はいう。
対応ブランドはソフトバンク、Y!mobileの2ブランド。LINEMOの取り扱いは現時点では未定だが、今後検討するとしている。対応言語は日本語のみとなっている。
ソフトバンクはZEPETO店でのサポートの他にも、「白戸家のお父さん」や「ふてにゃん」と記念写真が撮れる限定フォトゾーンを用意する他、今後はZEPETO店で入手したクーポンを実店舗で使用できるようにしていくなど、既存の販売チャネルとの連携にも注力する考え。
店舗数を減らす目的ではない
ショップのいわゆるオンライン化は、ソフトバンクだけでなく、NTTドコモが年内にサービス化することを明らかにしているが、ソフトバンク サービス企画本部 本部長 原田賢悟氏は「コミュニケーションを軸に新たな顧客接点を作るというのが、ZEPETO店をオープンした狙いの1つであって、店舗数を減らす目的ではない」と話している。
まとめると、オンラインショップにてサポートなしで契約、購入をするという従来のスタイルと異なり、実際に来店してサポートを受けたかのような体験がZEPETO店ならできる、というのが今回のトピックといえる。
一方、単にオンラインショップでのサポート体制を整え、チャットサポートが可能になった、だけでは若者の心をうまくつかめないだろうし、正直インパクトに欠ける。
両社としては、「Z世代を中心とした約3億人のユーザーを保有し、400万種類以上ものアイテムを使って、理想通りのアバターを作れるという特徴を持つZEPETOを通じて、“バーチャル接客”という新たな試みを提供したい」(NAVER Z 日本事業統括の金希頻(キム ヒビン)氏)考えのようだ。
ソフトバンクは大手キャリアでいち早く“メタバースな店舗”を打ち出した格好だが、ZEPETO店によって「わざわざ店へ行く」「来店予約が必要」「待たされる」――といった実店舗のデメリット解消につながるのか、注目したいところだ。
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