狙うは“原点回帰” テクノロジー愛好家向けブランド「POCO」を日本導入するXiaomiの狙いを聞く(1/3 ページ)
Xiaomiが、第3のブランド「POCO(ポコ)」のスマートフォンを日本でも展開することになった。最新ハイエンドプロセッサであるSnapdragon 8 Gen 1を搭載しながらも、早期購入で7万円を切る価格で購入できることに驚くばかりだが、その狙いをXiaomiの担当者に聞いた。
中国Xiaomi(シャオミ)傘下のブランド「POCO(ポコ)」が日本に上陸する。ECサイト限定ではあるものの、最新プロセッサ「Snapdragon 8 Gen 1」を備えるハイエンドモデル「POCO F4 GT」を7万4800円(6月26日までの購入分は6万4800円)で買えてしまうのは非常に驚くべきことである。
POCOブランドは「Xiaomi」「Redmi」に並ぶXiaomi第3のブランドで、「テクノロジー愛好家」をターゲットにした商品展開を行っている。なぜ、このタイミングでPOCOブランドを日本に導入することになったのだろうか。Xiaomiで東アジア担当ゼネラルマネージャーを務めるスティーブン・ワン氏と、Xiaomi Japan(小米技術日本)プロダクトプランニング本部の安達晃彦本部長に話を伺った。
そもそも「POCO」ってどんなブランド?
―― 「POCO」というブランドはどのようなものなのでしょうか。「Xiaomi(小米)」「Redmi(紅米)」は知っていても、POCOは知らないという読者も多いと思いますので、改めて教えてください。
ワン氏 (会社としての)Xiaomi自身は2010年に発足した会社で、XiaomiとRedmiのブランドでスマートフォンを発売してきました。POCOは2018年に新しく立ちあげたブランドです。
Xiaomiの発足時、私たちはターゲットユーザーを「テクノロジー愛好家」に据えて、ベストな価格でベストなスマホを出すことを重視していました。これが成功して現在に続く礎となったわけですが、かつてのXiaomiと現在のXiaomiは異なる面があります。(端的にいうと)大企業になってしまったのです。
そのため、(ブランドとしての)Xiaomiはメインストリームのユーザー層を意識せざるを得なくなってしまいました。新たにPOCOというブランドを立ちあげたのは、(会社としてのXiaomiの)初心に立ち返って、そのDNAを維持するためです。POCOブランドはXiaomi内部の「スタートアップ」という位置付けで、フレキシブルに動いて先鋭的なアクションを取りやすい体制としています。私たちにとって、POCOブランドの立ちあげは非常に意義深いことだったのです。
今回日本でリリースするPOCO F4 GTでいえば、側面に「ポップアップトリガー」があります。設定でさまざまな機能を持たせられるようになっているのですが、このような新しい機能はPOCOだからこそ搭載できたものです。市場の反応を見ることもできます。
POCO F4 GTの側面には「ポップアップトリガー」という2つのトリガーボタンが付いている。このプレゼンシートにもあるように、ゲームのトリガーボタンとして利用することがメインの用途となるが、設定をすれば端末の主要機能を直接起動するショートカットボタンとしても活用できる
なぜ日本ではハイエンドモデルから投入する?
―― 海外では、POCOブランドのスマートフォンが複数出ています。その中で、(ハイエンドモデルである)POCO F4 GTを日本第1弾としたのはなぜなのでしょうか。
安達氏 Snapdragon 8 Gen 1を搭載するスマホが普及し始めたタイミングでちょうど良かったということと、POCOのブランドが掲げる「パフォーマンス重視」を分かりやすく伝えられるフラグシップモデルということからPOCO F4 GTを選びました。
デザイン面でも、他社にはない特徴的なものとなっています。現状のスマホはどの機種も表から見るとあまり変わりがないようにも思えますが、背面を見てみると(POCO F4 GTには)特別な意匠やイルミネーションがあって、他社との違いを感じられると思います。
価格面でも衝撃的なものを紹介できたと思います。最高のチップセット(を持つスマホ)を手頃な価格でお届けできる――いろいろなタイミングが、ちょうど良くまとまったからこそPOCO F4 GTになったともいえます。
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