ソフトバンクがメタバース空間にキャリアショップをオープン――NTTドコモはリアルショップを3割閉鎖して、オンラインにシフト:石川温のスマホ業界新聞
昨今の社会情勢を踏まえて、キャリアショップにも変革が求められている。そんな中、ソフトバンクはメタバース空間に「ソフトバンクショップ」を開設することになった。一方で、NTTドコモはドコモショップを30%程度削減してオンラインでの手続きを強化するという報道がなされている。キャリアショップは今後どのような姿になっていくのだろうか。
ソフトバンクは2022年6月23日、メタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」内に、アバターのショップクルーが接客するバーチャルキャリアショップ「ソフトバンクショップ in ZEPETO」をオープンさせた。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年6月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
午前10時から午後9時までは実際のショップクルーがアバターとなって接客。その他の時間もオペレーターやAIボットによるチャットでサポートが受けられるという。メタバース空間により、Z世代を狙ったものとなっているようだ。
プレスリリースでは「既存の販売チャネルとシームレスに連携して契約・購入可能」とある。アバターのショップクルーに相談した後、オンラインショップに飛び、そこからスマホを契約できたりするという。
ショップクルーに提案されたスマホのページにダイレクトに飛び、すぐに購入できるかと思いきや、結局は、オンラインショップのトップページに「リンク」されるだけのようだ。これを「シームレス」というのかはかなり微妙だ。
どちらかというとメタバース空間は、遊んで楽しみ、ちょっとスマホの情報に触れる程度のもののようだ。実際に、購入や契約手続きをしようと思ったら、テキストチャットでやった方が効率的だ。仕事をしつつ、テキストチャットを進められると結構、便利だ。電話だと長い保留音を聞かされ続けるだけでうんざりするが、テキストチャットなら、適当に離れていても、会話が継続してくれる。
ソフトバンクは、メタバースでのショップを出したからといって、リアルのキャリアショップを閉鎖すること無いようだが、NTTドコモはドコモショップを3割閉鎖して、オンライン化を進めていくとしている。
確かに時代の流れであり、多すぎるキャリアショップを減らしていくのは理解できる。スマホのアプリを立ち上げるとオンラインショップのスタッフにつながり、会話をしながら手続きを進められるようだが、そもそも「スマホがつながらない」というときにはどうしたらいいのか。
機種変更する際も、データの移行やアカウントの設定など、自分でできる人はもちろんいるが、そうした人はすでにオンラインショップでもいいわけで、むしろ、リアルのショップを求めている人が、ビデオ通話で手続きを進めていくのは無理があるような気もしなくもない。
NTTドコモがリアルのショップを減らしていく一方で、他社がリアルのショップ網を強化していくようになると、ひょっとすると、リアルサポートを求めて、キャリアを乗り換える人というのも出てくるのかも知れない。
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