もう「万が一」ではない 通信障害の被害を防ぐための自衛手段(1/3 ページ)
7月2日1時35分頃から発生しているKDDIの通信障害は、2日後も完全復旧していない。ユーザーとしては、自分が使っている回線が通信障害に遭遇したとしても、代替の通信手段を確保できるよう対策を講じておく必要がある。サブ回線やeSIMのサービスを押さえておきたい。
7月2日1時35分頃から発生しているKDDIの通信障害は、2日半がたった4日16時頃にようやく「ほぼ回復」し、5日夕刻に完全復旧する見通しとなった。KDDIの回線で起きた障害のため、auだけでなく、UQ mobileやpovoにも影響を及ぼした。
スマートフォンを使ってさまざまなことが可能になるほど、通信が不通になることのインパクトも大きくなる。通話やメッセージのやりとりができなくなることはもちろん、(バーコードを表示させる)スマホ決済や、インターネットでの情報収集もできなくなる。さらに緊急通報もできないとなると、人命にもかかわる。
振り返ると、KDDIだけでなく、ソフトバンクとNTTドコモも大規模な通信障害を起こしている。2018年12月にはソフトバンクが約4時間半、2021年10月にはドコモが約12時間にわたって全国で通信障害を発生させた。約4年半で3件もの大規模な通信障害が起きており、もはや「万が一」と言えない頻度になっている。
今回のように通信障害が1日や2日も続くとなると、日常生活に大きな支障をきたす。ユーザーとしては、自分が使っている回線が通信障害に遭遇したとしても、代替の通信手段を確保する、あるいはダメージを最小限に抑えるよう対策を講じておく必要がある。
サブ回線は「povo2.0」と「IIJmioのeSIM」がオススメ
まず、最もシンプルな対策が、サブ回線を持つことだろう。ITmedia Mobileでも、2022年4月12日にサブ回線を持つ意義とオススメのサービスを紹介している。
最もオススメできるのは、この記事でも紹介している、基本料金が0円から利用できる「povo2.0」だ。180日間で一定の課金が必要なものの、使わない月は0円なので、「いつ使うかは分からないけれど、取りあえず維持したい」という用途にマッチする。しかし、povoはKDDI回線を用いているため、今回のようにKDDIで通信障害が起きたら、povoも使えなくなる。従ってpovoをオススメできるのは、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルなどKDDI以外の回線を持っているユーザーとなる。
他に0円で維持できる回線として、1GBまでは0円で利用できる楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」があったが、このプランは2022年6月末で終了。現在は「Rakuten UN-LIMIT VII」を提供しており、最低料金が1078円になってしまった(2022年10月末までは、キャンペーンにより1GBまでの料金は実質無料)。
一方、楽天モバイルでは無料の通話アプリの「Rakuten Link」を国内通話がかけ放題で利用でき、固定回線にもかけられる。11月以降は月額1078円〜の料金が発生するが、楽天モバイルは通話が多いユーザーにとって魅力的なサブ回線といえる。
auユーザーにオススメしたいサービスの1つがIIJmioのeSIMだ。IIJmioではドコモ回線でeSIMのサービスを提供しており、ドコモ以外のユーザーなら複数回線を手に入れられる。通話には対応しておらず、データ通信専用なのは注意が必要だが、月額料金が2GBで440円からと安い。しかも2022年7月31日までに申し込むと、月額料金が300円×6カ月間割り引かれ、eSIMの初期費用が3300円から550円に割り引かれる。つまり半年間は2GBなら550円+月額140円で運用できるので、これを機に申し込んでみるのも手だ。
この他、日本通信(ドコモ回線)の「合理的シンプル290プラン」は1GBでも月額290円、HISモバイルの「自由自在290プラン」は100MB未満なら月額290円で回線を維持できる。OCN モバイル ONEの「500MB/月コース」も月額550円と安価だ。
なお、MVNOサービスを選ぶ際に注意したいのが、回線の種類だ。通信障害が発生すると、そのキャリアの回線を使っているMVNOサービスでも障害が起きる。auユーザーがau回線を使っているMVNOサービスを契約しても、au回線を2つ持つことになるので、KDDIで障害が起きたらMVNOサービスも使えなくなってしまう。auユーザーならドコモやソフトバンクの回線、ドコモユーザーならauやソフトバンクの回線、ソフトバンクユーザーならドコモやauの回線を用いたMVNOサービスを選ぼう。
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