「ドコモショップ3割削減」の先にあるもの 井伊社長に聞く(2/2 ページ)
ドコモショップを3割削減する方針を明らかにしているNTTドコモ。単に削減するだけでなく、リアル店舗にオンラインを融合させた「ハイブリッド店舗」の推進を目指しているという。その意図はどこにあるのか。また、ショップの役割は今後、どのように変わっていくのか。
2022年度にはハイブリッド店舗を出したい
―― 実際にユーザーがハイブリッド店舗を利用できるようになるのはいつごろになるのでしょうか。
井伊氏 2022年度には出していきたいと思っています。ショップスタッフの方は商品や料金の知識を持っているので、画面を通じてやるか、フェースツーフェースでやるかの違いです。
―― 確かに料金プランの変更もオンラインでできますし、端末も購入手続きをオンラインでして、モノは発送してもらえばいいですしね。
井伊氏 契約はオンラインでも、端末の受け取りはお店に来るかも選べる。だからハイブリッドに意味があります。
―― ハイブリッド店舗は、どのぐらいの規模感で想定されているのでしょうか。
井伊氏 全国、どこでも。全代理店さん2300にお願いしています。デジタルシフトすると、3割の700店舗くらいが4年間でデジタルの方に動くだろうから、お店をもっと集約して運転コストを下げてもらえれば、彼らの利益に効くと思います。
―― つまりユーザーにとっては、ショップはリアル店舗、リモート店舗、完全オンラインのドコモショップという3つの選択肢があるわけですね。
井伊氏 あると思います。「ショップに来ないとできないこと」をなくしたいんですよ。予約をしたら1時間も掛かって……というのを、オンラインだけである程度終わらせてしまえば、店舗に行くとしても短時間で済みます。
―― そのパターンで行くと、ahamoもリモート店舗で申し込めるようになるのでしょうか。
井伊氏 ahamoは全部オンラインですが、ショップでもアシストする場合は3000円(税込み3300円)の手数料をいただいています。その部分を、オンラインにすることはできると思います。画面でやるかどうかだけなので、同じことです。
―― 字面的に、「ドコモオンラインショップ」と「リモート店舗」の違いが分かりにくい気がします。どちらもオンラインなので……。
井伊氏 名前がちょっと分かりづらいんですけど、リモート店舗は人間が出てきます。フェースツーフェースだと、カスタマーハラスメントで傷ついているスタッフもいて、辞めてしまう人もいるんですよ、厳しいお客さんにいじめられてしまって。オンラインで顔を出さずに、アバターでやるのもありです。そうすると対人的な部分が柔らかくなるので。まさにね、働き方改革ですよ。デジタルと言っておきながら、われわれがリアルしかないのも変でしょ?
―― 新しいオンライン形態のショップの名称は決まっているのでしょうか?
広報 今のところ「ドコモショップオンライン店」という言い方をしています。確定ではないですが。
井伊氏 オンライン店か、リアル店かということです。
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