ドコモが頭を悩ませる「シニアのd払い利用」 井伊社長が考える打開策は?(2/2 ページ)
NTTドコモの井伊基之社長のインタビュー最終回では、スマートライフ事業に含まれる、dポイントクラブやd払いの戦略や課題についてうかがった。d払いやdポイントを使えないユーザーに対していかに訴求するかを課題としている。ドコモショップがそれを解決する場になるかもしれない。
1年半を3年半くらいやっている感じ
井伊氏 (取材中の写真撮影について)もう、大丈夫ですか?
―― あ、もう少しお願いします。今のような柔和な表情も……。
井伊氏 (笑)いつも、笑っていられるような仕事をしたいよね。
―― 社長に就任されてから、今までを振り返って、いかがですか?
井伊氏 一昨年(2020年)の12月だから、もう1年半ですね。もう嵐のように走っていますね。結局値下げがガーンとあったし、変革期に来ちゃったから。で、われわれも再編をやっているでしょ、ドコモ・コム・コム(NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア)で。自分も変化するときだし、世の中も値下げ競争になっちゃったから、ものすごいですよ。1年半を3年半くらいやっている感じ。
―― 昨年(2021年)は弊誌のPVもものすごかったです。
井伊氏 話題が多かったでしょう。
―― われわれも情報のキャッチが追い付かないほどでしたが、中の方は、いっそう大変なんだろうなと……。
井伊氏 けっこうこちらの意図が伝わっていなくて、間違っている報道もあるんだけど、直すすべもないしね。誤解されているなら、誤解されているままで走るしかないなと。店舗も、減らすことばかりが注目されていて、デジタルシフトの話をちゃんと書いてくれないんですよ。今回のようなインタビューで、そういうことを伝えさせていただくと、「あ、なるほどね」となってくると、正しく動くんですけど。ぜひお願いします。
5G SAのスライシングサービスを展開する
―― 2022年夏から5G SAのコンシューマー向けサービスを開始予定ですが、現時点で決まっていることがありましたら教えてください
井伊氏 まだオープンにできていないですけど、いくつかのSAのスライシングのサービスを出したいと思っています。低遅延といったサービスがスライシングの一番の魅力なので、そういうアプリができるといいと思っています。法人向けは昨年12月からやっていますが、コンシューマーはこれから。これは他社さんとの競争の中でやっていきますけど、SAに対応した端末も夏モデルで発売します。
それが、コンシューマーの方にヒットするサービスにつながるかどうかですよね。普通の5GだったらSAじゃなくてもいいので。だんだん端末も対応していきながら、サービスも普及していく感じですね。早くガラケー、3Gをなくさないと。われわれとしても保守コスト負担なので、その分は設備投資に回したい。
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