iPhone値上げで気になる次期モデルの価格 iPhone 13よりも高価になる?
Appleや通信キャリアが、7月に入ってiPhoneを値上げしました。20%の円安は企業努力でどうにかなるものではないので、値上げは仕方がないところでしょう。次期iPhoneは、iPhone 13よりも100ドル高くなるのではと予測するアナリストもいます。
Appleは2022年7月1日、日本国内でのiPhoneを含むApple製品の値上げを実施しました。理由はもちろん、急速に進む円安です。iPhone 13の128GBモデルの場合だと、9万8800円(税込み、以下同)が11万7800円になり、1万9000円と約19%の値上げに。最上位のiPhone 13 Pro Max 1TBモデルは19万4800円から23万4800円へと4万円、約20%の値上げになっています。
iPhone 13が発売された2021年9月の平均為替レートは約110円。2022年6月の平均為替レートは約134円なので、約20%円安になっています。さすがに20%の円安は企業努力でどうにかなるものではないので、値上げは仕方がないところでしょう。予告なしでいきなりの値上げに踏み切った背景には、転売目的での駆け込み購入を防ぐ目的があったのではないかと考えられます。
ちなみに、米国での価格はiPhone 13 128GBモデルが799ドル、iPhone 13 Pro Max 1TBモデルが1599ドル。日本での税込み販売価格で考えると、もともと1ドル約124円と約122円で換算されていたものが、どちらも約147円換算になった計算です。為替レートに対して、約10%上乗せした設定になっています。
Appleでの値上げを受け、楽天は7月6日、NTTドコモとソフトバンクが7月12日、auが7月13日にiPhoneの値上げを発表しています。Apple公式のiPhone 13 mini 128GBモデルは、9万9800円と辛うじて10万円を切りますが、iPhoneは総じて10万円を超えることになります。数年前には、スマートフォンの販売価格について、割賦契約での審査が厳しくなる10万円を超えるかどうかといった話題もあったのですが、今では20万円超えのハイエンドモデルも珍しくなくなり、隔世の感があります。
こうなると気になるのが、次期iPhone 14(仮)の価格です。これについて、投資会社Wedbush Securitiesのアナリスト、ダン・アイブス(dan ives)氏は英The Sun紙にiPhone 14の価格はiPhone 13よりも100ドル高くなるとの予想を示しています。
iPhone 14シリーズでは、iPhone 12と13では最も廉価だったminiが廃止されるとのうわさもあります。これが事実であれば、最下位モデルが無印のiPhone 14ということになりそうです。ということは、最も安価なモデルはiPhone 14の128GBモデルで899ドルに。値上げ後のiPhone 13と同じく、1ドル147円で計算すると約13万2000円となります。最上位になるであろうiPhone 14 Pro Maxの1TBモデルは、1699ドルで約25万円になる計算です。
この価格が日本でのiPhone 14シリーズの売れ行きや、iPhoneシェアにどのように影響を与えるのかは気になるところ。iPhone 14を避けて、iPhone SEや中古のiPhone 12/13などに流れる可能性もありそうです。
もちろん、あくまでも推測なので実際の価格がどうなるかは発表されるまでは分かりません。ただ、今後もしばらくは円安傾向が続きそうなので、今より安くなることは期待できそうにはありません。
Appleはpaidyと提携して「iPhone 36カ月分割払いオファー」を提供しています。各キャリアの端末購入サポート(いつでもカエドキプログラム、スマホトクするプログラム、新トクするサポート、iPhoneアップグレードプログラムなど)と同様に、24カ月目で下取りに出すと残価の支払いが不要になるというものです。iPhone 14でも提供されるでしょうが、それでも、買い控えや買い替えサイクルの長期化は避けられないかもしれません。
関連記事
- iPhone、5000円〜4万円の値上げ 一部モデルは20万円超えに
Appleが販売するiPhoneが値上げされている。5000円から最大4万円の値上げとなっており、iPhone 13 Proの1TB、iPhone 13 Pro Maxの512GBと1TBは20万円を超えている。最も値上げ幅の小さいのはiPhone SE(第3世代)。 - ドコモ販売ランキング:値上げでもiPhone 13が1位に AQUOS R7は?【7月11日〜7月17日】
ドコモオンラインショップの「売れ筋ランキング」。7月11日〜7月17日の期間は値上げを迎えた「iPhone 13(128GB)」が1位を獲得した。 - 日本は「最安でiPhoneを買える国」――MM総研が世界34カ国のiPhone販売価格を調査
MM総研が、世界の34の国/地域を対象に実施したiPhoneの販売価格の調査結果を発表した。日本は現行モデルの全てにおいて“最安”となったという。 - 今、ハイエンドスマホの価格が高騰している理由 約20万円は許容できる?
円安の影響もあり、スマートフォンの価格が高騰している。約19万円のXperia 1 IVは、2017年に発売されたフラグシップモデル「Xperia XZ Premium」と比較すると、2倍近い価格差となっている。背景には部品数の増加や高品質化、昨今の半導体不足が挙げられる。 - 「iPhone SE(第3世代)」が“実質1円”で販売中 なぜここまでiPhoneが優遇されるのか?
3月18日に発売された最新の「iPhone SE(第3世代)」が、早速「実質1円」で販売されています。実質価格は2年後の返却が前提となっています。これだけiPhoneが手厚く販売されている背景には、日本独自の理由が考えられます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.