総務省がKDDIと沖縄セルラー電話からの「重大な事故報告書」を受領 7月2日〜4日の通信障害について
KDDIと沖縄セルラー電話の携帯電話ネットワークで7月2日から4日にかけて発生した通信障害について、両社が総務省に「重大な事故報告書」を提出した。同省では今後、報告書の内容を精査した上で必要な対応を講じることにしている。
総務省は7月28日、KDDIと沖縄セルラー電話から電気通信事業法第28に基づく「重大な事故報告書」を受領したことを発表した。提出された報告書は、7月2日1時35分頃に両社の携帯ネットワークにおいて発生した通信障害に関するもので、同省では内容を精査した上で今後の対応を検討する。
- →au/UQ mobile/povo携帯電話で通信障害 全国で電話とデータ通信が利用しづらい状況に(7月2日10時現在)
- →KDDI“過去最大”の通信障害、発生の経緯は? 緊急会見で判明したこと
- →KDDIの通信障害なぜ長期化した? 過去の障害で得た知見も通用せず
- →KDDIの通信障害が完全復旧 5日15時36分に最終確認
影響を受けた利用者数
総務省の資料によると、今回の障害の影響を受けた利用者数(推計値)は以下の通りとなっている。
- KDDI
- 音声通話:約2278万人
- データ通信:765万人以上
- 沖縄セルラー電話
- 音声通話:約38万人
- データ通信:10万人以上
「重大な事故」について(参考)
電気通信事業法第28条では、電気通信事業者が以下のいずれかの事象に遭遇した場合、遅滞なく総務大臣(総務省)に報告を行うように求めている。報告を行わなかった場合、または虚偽報告を行った場合は30万円以下の罰金を科されることがある。
- 電気通信事業法第8条第2項(※1)に基づいて、電気通信業務を一時的に停止した場合
- 「通信の秘密の漏えい」など、総務省令に基づく「重大な事故」が発生した場合
(※1)災害を始めとする「非常事態」が発生、または発生しそうな場合に、緊急通信を優先するために電気通信業務の一部を停止できる(停止の基準は総務省令で定める)
2つ目の事象の「重大な事故」は、電気通信事業法施行規則第58条に以下の通り基準が定められている。
【一定の時間、一定の人数が通信不可/困難となった場合】
- 緊急通報(110/118/119番への発信)に対応する音声伝送サービス
- 1時間以上かつ3万人以上に影響が出た場合に該当
- 緊急通報に対応しない音声伝送サービス
- 2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ10万人以上に影響が出た場合に該当
- セルラーLPWA/アンライセンスLPWAサービス
- 12時間以上かつ3万人以上、または2時間以上かつ100万人以上に影響が出た場合に該当
- 無料で提供されるインターネット関連サービス(※2)
- 24時間以上かつ10万人以上、または12時間以上かつ100万人以上に影響が出た場合に該当
- 上記に当てはまらない電気通信サービス
- 2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ100万人以上に影響が出た場合に該当
(※2)利用者からサービスの対価として料金を受け取らないもの。ただし、無料の音声伝送サービスは除く(音声伝送サービス用の基準を適用する)
【重要設備の故障の場合】
通信衛星、海底ケーブルや両者に準ずる重要設備の故障した場合、それが原因で全通信が2時間以上途絶すると重大な事故に該当する。
重大な事故などの報告期限について
電気通信事業法第28条に基づく報告は、その事実を把握した時点で速やかに行う必要がある。正式報告の提出については、電気通信事業法施行規則第57条によって以下の通り期限が定められている。
- 電気通信事業法第8条第2項に基づく業務の一時停止:停止した日から30日
- 通信の秘密の漏えい:秘密の漏えいを知った日から30日以内
- 重大な事故:重大な事故が発生した日から30日以内
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