「SDメモリカード」の「SD」ってどういう意味?:モバイルIT用語辞典
2022年現在では「microSD」が主流の「SDメモリカード」。スマホだけでなくデジカメやPCのストレージとしても有用だが、この「SD」はどういう意味なのか。SDメモリカードの規格はどこから生まれたのか。
2022年現在では「microSD」が主流といいつつも、スマートフォンにmicroSDスロットを搭載しない端末が現れてきた「SDメモリカード」という規格。スマホだけでなくデジタルカメラやPCの拡張ストレージとしても有用な記憶装置だが、規格が生まれたのは1999年、東芝(現キオクシア)、サンディスク(現ウエスタンデジタル)、松下電器産業(現パナソニック)の3社で構成されたSDグループによって開発された。
SDメモリカードに使用される「SD」という名称だが、開発当初は「Secure Digital」の略であるという説明があったものの、のちに規格の改版に伴って削除されたという。ただしSDメモリカードのロゴは1995年に東芝などが提唱した「Super Density Disc」のものを流用している。頭身の小さなキャラクターに付けられる「スーパーデフォルメ」の略でもない。
SDメモリカードのサイズは24(幅)×32(高さ)×2.1(厚み)mmで、microSDは11(幅)×15(高さ)×1(厚み)mm。2018年6月に発表された規格「SD 7.0」では、最大毎秒985MBの転送が可能な「SD Express」と最大容量128TBの「SDUC」(SD Ultra Capacity)が発表されている。
他の容量規格には、ファイルのフォーマット形式に応じて「SDSC」(SD Standard Capacity、FAT16)「SDHC」(SD High Capacity、FAT32)「SDXC」(SD eXtended Capacity、exFAT)がある。SDUCのフォーマット形式はexFATだ。
ファイルの読み書き速度にも違いがあり、以下の「スピードクラス」または「UHSスピードクラス」「ビデオスピードクラス」が存在する。ビデオスピードクラスは4Kや8Kなどの高画質、高品質映像の記録向けに策定された。
- SDアソシエーション「スピードクラス」
- Class2:最低毎秒2MB
- Class4:最低毎秒4MB
- Class6:最低毎秒6MB
- Class10:最低毎秒10MB
- UHS Speed Class1:最低毎秒10MB
- UHS Speed Class3:最低毎秒30MB
- V60:最低毎秒60MB
- V90:最低毎秒90MB
例えば家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」ではSDXCまでの規格に対応しており、2TBまでの容量を読み書きできる。ここからスピードクラスを高いものにするか、予算を抑えて低いもので妥協するかといったように、端末の対応規格に応じて購入するSDメモリカードを選択できる。
SD規格は2022年現在、米国の団体「SDアソシエーション」の参加企業が規格の開発を行っている。
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