0円廃止で収益改善に向かう楽天モバイル 2023年中に人口カバー率99%を目指す(2/2 ページ)
楽天モバイルの「0円ユーザー」の解約が増加したものの有料ユーザーは純増している。三木谷浩史会長兼社長は、完全有料化となる11月以降は利益がさらに改善すると自信を見せた。有料ユーザーに関しては「30%ぐらい伸びている」という。
楽天サービスの波及効果で「ARPU1000円超え」にも自信
楽天モバイル単体ではなく、楽天グループ全体のシナジーも重視しており、楽天モバイルに加入した人は、加入前に比べて楽天市場での平均月間流通総額が52%増加し、これが1200万契約に達した時には楽天市場全体の流通総額が約15%増加するという。
楽天モバイル契約者の2割強が新規の楽天ユーザーで、約60%が楽天市場の利用を開始し、約40%が楽天ポイントカードを導入、約20%が楽天カードを新規発行しており、楽天モバイル契約後1年で平均2.99個の楽天サービスを利用しているという。
楽天モバイルから楽天の各サービスへの波及効果が確認されたことに加え、オプションやコンテンツサービスを拡充してユーザーのARPU拡大を図る。他の楽天サービスとの連携も強化することで、「ARPUベースで1000円を超えるところまで持っていける」と三木谷氏は自信を見せる。
今後は法人向けサービスも展開。試行期間でも順調にユーザーを獲得できたという。来春以降は、MNP時の手続きが移行先での契約だけですむようになることも、MNP転入増加の「追い風になる」と三木谷社長は期待する。
三木谷社長は、0円プラン廃止での解約は「一定の離脱は致し方ない」との認識だが、今後のエリア拡大や、ネットワーク障害を回避するように設計された完全仮想化ネットワークへの自信を見せ、離脱した利用者に対して「総合的に見て、(改めて)楽天モバイルを検討してもらえれば」とアピールしている。
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