ライカに聞く「Leitz Phone 2」(後編):背面色にホワイトを選んだ理由、Leitz Looksのメカニズム(2/2 ページ)
「Leitz Phone 2」のデザインとカメラの開発担当者にインタビュー。白色を基調としたデザインへのこだわりや、独自の撮影モード「Leitz Looks」の仕組みを聞いた。
物理的なシャッターキーを搭載しなかった理由
―― Leitz Phone 2のカメラの操作体系は、ベースモデルのAQUOSスマートフォンの影響が色濃くあり、“カメラ的”な機動力のある撮影をするには力不足と感じる面もあります。撮影機能の改善について、今後の展望はありますか。
デイストラー氏 ライカがスマートフォンビジネスにおいて常に意識しているのは、ライカのクラシックカメラの非常に評価の高い撮影体験を、いかにスマートフォンに持ち込めるかという視点です。よりよい撮影体験を提供するためには、クラシックカメラの撮影体験を理解し、その本質的な要素を理解すること、そして新しいスマートフォンを投入するときには、どのような体験を提供できるかを常に議論することが重要だと考えています。
―― 具体例として、ハードウェア型のシャッターキーを搭載すればカメラに近い撮影体験が可能になるのではないかと思います。
デイストラー氏 物理的なシャッターキーは、Leitz Phoneシリーズを開発する際に何度も議題に上がったテーマです。結論として、今回のLeitz Phone 2では、搭載を見送っています。その背景には、技術的、商業的な制約があります。
ご存じの通り、ライカはシャープと緊密に連携して「Leitz Phone」シリーズを開発しています。Leitz Phone 2では、AQUOS R7と基板レベルで共通の設計を採用し、ライカ独自のデザインとソフトウェアを組み込みました。仮にここで物理的なシャッターキーを追加するとなると、開発のハードルはもう一段階、上がってしまいます。
シャッターキーを制御するためのスマートフォンの機能として非常に深いレベルで統合されていなければなりません。例えば、スマホを握ったりしたときや、ポケットに入れたままカメラを起動させたりしたときに、適切に動作させるためには入念な調整が必要となります。
しかしながら、ライカとしては商業的な観点から、より多くのユーザーに商品をお届けするために、適切な価格設定も重視しています。Leitz Phone 2においては、ハードウェアで多くのコストをかけて手の届かない製品に仕上げるよりは、洗練されたデザインとソフトウェアを備えた、より身近なライカ製品として提供したいという考えがありました。そのために、ハードウェアをベースモデルから大きく変更するような機能追加は行っていません。
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