達人が選ぶ「2022年を代表するスマホ」5機種 スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2022(2/3 ページ)
ITmedia Mobileでは、2022年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2022」を開催しました。審査員がそれぞれ5機種を推薦し、その中で票が多く集まった10機種をノミネート機種として選定しました。審査員が推薦した5機種とその理由を紹介します。
佐野氏:販売施策に勢いを感じたPixel 7、ゲーミング機としての完成度が高かったXperia 1 IV
・推薦機種……Pixel 7、Galaxy Z Flip4、Xperia 1 IV、Pixel 6a、iPhone SE(第3世代)
今年(2022年)は全体的にパッとしなかったという印象です。半導体不足などの事情もあってメーカーとしても選択肢が限られてきてしまう状況ではありましたし、去年(2021年)の端末でインパクトを出したシリーズも多かったので、今年は難しかったのかなとは思いました。今回の選出は、見方を変えて販売面を重視してみました。
Pixel 7は、もちろん機能性も上がっていますが、やはり円安のなかで、あれだけの販売施策を展開してきたところ評価しました。ゆえに「Pro」ではなくて、「7」を挙げました。
「Galaxy Z Flip4」は、日本での発表がiPhoneと同じ日でした。ここにぶつけてきたのはそれなりの理由があるのでしょう。私としては、若い女性ユーザーの層を獲得して、iPhone一辺倒の市場は変えてやる、という気概のようなものを感じました。
Pixel 6aは皆さんおっしゃるように、コスパが圧倒的。「iPhone SE(第3世代)」も自社製チップがあるからこそ、これだけのコストパフォーマンスの高さを実現できている。円安のさなか、販売で強かったのはこの2つだったかな、と思います。
最後の1つがなかなか思いつかなくて、悩んだ上で「Xperia 1 IV」を入れました。Gaming Edition込みでの評価です。近年のXperiaシリーズはプロとセミプロに特化して販売を強化している印象がありましたし、22年でも一番プロユースで目立った端末は何かと振り返ったときに、Xperiaだったのかな、と思いました。特に、ゲームのしやすさや配信のしやすさなど、Xperia Stream装着時のゲーミングデバイスとしての出来がよかったです。
島氏:手頃感があったのはPixelシリーズ、AQUOS sense7も面白かった
・推薦機種……Pixel 7 Pro、Pixel 7、Pixel 6a、Nothing Phone (1)、AQUOS sense7
今年(2022年)は半導体不足と円安により、値上げしつつ性能を向上させた機種と、とにかく安さを狙った機種が目立ちました。その中で、利用者が求める機能や刺さる機能をくみ取りつつ、価格上昇を抑えた機種を中心に選んでいます。
Pixle 7 Proは、望遠4800万画素を含むカメラ特化モデルとして手頃なこと。Pixel 7は、ハイエンドと呼べる程よい性能と、画面サイズ・解像度、カメラを手頃な価格で提供したこと。Pixel 6aは、ミドルクラス離れした性能に加え、安価な店頭価格で今年のPixelブランドの起爆剤となったことを評価しました。いずれもプロセッサの機械学習性能を生かしたソフトウェア処理により、AI画像処理や音声認識で他社と差別化している点も魅力的です。
AQUOS sense7は、ミドルクラスでありがちなカメラや機能が多そうに見せる“幕の内弁当”的なデザインを捨て、中央のカメラだけを目立たせるデザイン変更の勇気に驚かされました。軽量で、かつ省電力性が高く、マスク対応の顔認証の搭載を明言した点も評価しています。このクラスの製品をお勧めしたい層を考えると、画面内指紋認証よりも歓迎できますね。同価格帯の他社モデルは、意外にも顔認証に非対応だったり、マスク対応を明言していなかったりするモデルも多いので……。
「Nothing Phone (1)」は、久々に昔のauデザインケータイを思わせる製品で、かつ価格の割に性能やカメラ画質も良好で、意外にも満足度が高いです。おサイフケータイ非対応ではありますが、QRコード決済に加えてNFCコンタクトレス決済も浸透し始めたので、SuicaやICOCAなどの重要性が低い地域なら、おサイフなしという選択肢もアリな流れもできているかな、と思い選びました。
- →透明スマホ「Nothing Phone (1)」を試す 背面が光る仕掛けはどこまで“実用的”か
- →「Nothing Phone(1)」の正体に迫る 操作感良好でコスパも悪くないが、課題も
- →「Nothing Phone (1)」のカメラは清く正しく高画質 ミドルクラスとしては大盤振る舞い
房野氏:Galaxy S22 Ultraを見るとSペンはやはり内蔵がいいなと思う
・推薦機種……Galaxy S22 Ultra、AQUOS R7、Pixel 6a、OPPO Reno7 A、AQUOS sense7
私は自分で買ったもの、使ったものを中心に選んでいます。
Galaxy S22 Ultraを選んだのは、やはりSペンは内蔵じゃないと、「いつでも使える」と感じる使い勝手にはならないから。皆既月食で月を撮るのも楽しかったです。フォルダブルじゃないストレートの端末では、最高クラスの端末だと思います。高いですけれど、Foldよりは安いので、ギリギリ手が伸ばせる範囲にもあります。
- →これはNoteの新モデル? ペン内蔵の「Galaxy S22 Ultra」をじっくりと試す S22は小型で日本人向け
- →Sペン内蔵で利便性が向上した「Galaxy S22 Ultra」のカメラ 1億800万画素や30倍ズームの実力は?
本音を言うとライカのLeitz Phone 2への憧れはありましたが、高くて買えないので、AQUOS R7でも満足できるだろうと選んでいます。オートフォーカスも改善してきたことで、スマホらしいカメラ重視の端末になっていると思います。
一方、AQUOS sense7は、誰でも買えるど真ん中の端末。あまりミドルレンジを使ってこなかったのですが、sense7を使って「最近のミドルレンジはこんなにいいんだな」と考え直しました。すごくお買い得だと思います。
「Pixel 5a」までのシリーズは、デザインがどうしても気に入らなかったのですが、Pixel 6aは、テイストが上位モデルと同じになって、高級感も出ました。Googleサービスとの相性もよく、見た目もいいということで、私のなかでPixelの評価が上がる要因になった一台でした。
OPPO Reno7 Aは、日本仕様に寄せてくるOPPOらしさがありつつ、デザインも好印象。マットでありながらキラキラしていて、使いやすさと持っていてうれしい感じを両立させている端末に仕上がっているなと思いました。
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