ドコモも「デュアルSIMサービス」提供へ 「ソフトバンク、KDDIと話をしている」
NTT(日本電信電話)が2月9日に開催した決算説明会で、島田明社長がバックアップ回線の「デュアルSIMサービス」について言及した。デュアルSIMサービスは、緊急時に使用できる予備回線用のサービス。KDDIとソフトバンクが2023年3月下旬以降に提供することを発表していた。
NTT(日本電信電話)が2月9日に開催した決算説明会で、島田明社長がバックアップ回線の「デュアルSIMサービス」について言及した。
デュアルSIMサービスは、緊急時に使用できる予備回線用のサービスで、KDDIとソフトバンクが2023年3月下旬以降に提供することを発表していた。KDDI高橋誠社長とソフトバンク宮川潤一社長のトップ交渉により実現したそうだが、ドコモはどんなスタンスなのか。
島田氏は「(KDDI、ソフトバンクと)話し合いはしている。そんなに遅れることなく、同じようなタイミングで展開できると思っている。詳細は、お互いあまり話をしないようにということなので、ここではコメントいたしかねる」と述べるにとどめたが、ドコモもデュアルSIMサービスを提供する意向であることが明らかになった。ただし日程については未定。
「昨年、KDDIさんで通信障害が起き、われわれ(ドコモ)も、その後西日本などで障害を起こしているので、レジリエンス(回復力)を高めていかないといけない認識は全く同じ。同じようなサービスを遅れないように提供していきたい。NTTグループとしてのレジリエンスをどう高めていくかはずっと議論している。どこかのタイミングで詳細の説明をする機会を持ちたい」(島田氏)
デュアルSIMサービスのMVNOへの開放については未定の状況だが、ドコモ側も「まだMVNOとは話をしていないのが事実」(島田氏)とのこと。「ソフトバンク、KDDIさんと話をしていて、まずそこから始めないと。大きいボリュームをお持ちの方々とのバックアップの仕組みが重要。MVNOとどうコラボしていくかは、次のフェーズだと思う」とした。料金については「宮川さんも高橋さんも数百円といっているので、それくらいの水準になると思う」とのことで、3社で足並みがそろう可能性が高い。
2022年度第3四半期の連結業績については、営業収益が9兆5726億円で前年同期比6494億円増(+7.3%)、営業利益が1兆5208億円で前年同期比188億円減(−1.2%)の増収減益となった。「想定を上回る電気代高騰の影響やオンライン授業などの需要が一巡した」(島田氏)ことから、NTT東西の地域通信事業が481億円の減益になったことが響いた。
モバイルについてはARPUが第2四半期の4080円から4090円に上がっており、島田氏は「値下げの影響は収まった」との認識。「お客さまに大容量のご利用をいただけており、環境は改善してきた」(同氏)
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