Snapdragon Insidersが日本でスタート クアルコムジャパン須永社長が語った「15年の進化」(2/2 ページ)
「Snapdragon Insider」を日本で開始される。Qualcommは3月7日、「Snapdragon Insiders」キックオフイベントを開催した。世界で800万人の登録者数を持つプログラムで、日本が10地域目の展開となる。3月7日のキックオフイベントでは、クアルコム須永社長が「Snapdragon 今昔」を語った。
日本で最初のSnapdragonスマホは「Windows Mobile」
須永氏 2009年にSnapdragonの最初のチップセットを搭載したスマートフォンが日本でリリースされました。皆さん、そのときの携帯電話メーカーさんがどこだったか、覚えていらっしゃいますか? 覚えてないですよね。東芝さんの、Windows Mobileだったんです。
QualcommのSnapdragonの最初のお客さんが東芝さんだったんです。しかも、Windows Mobileでした。
この時のWindows Mobileは、すごく斬新でした。東芝さんのスマートフォンは、当時としては大きな4.1型という画面サイズでした。解像度は800×480で、ローエンドのPCくらいの解像度がありました。SnapdragonのCPUも、1GHzのCPUで当時のPCクラスのCPUが搭載されたということで、非常に大きなニュースになりました。
一方で、2009年に日本で最初に発売されたiPhone 3Gは、ディスプレイサイズが3.5型。解像度が480×320でした。これを聞いただけでも、東芝さんのWindows Mobileの端末がどれだけ斬新だったかというのが、お分かりになるんじゃないかと思います。
15年を経て、2023年3月。最新のSnapdragonは、「Snapdragon 8 Gen 2」というものになっています。既にGen 2を搭載したスマートフォンが世の中にたくさん出ているので、2023年の後半は、Snapdragon Gen 3の端末が出てくるんじゃないかなと、皆さん、予想されている頃じゃないかなと思います。
その間の15年の進化は、Snapdragon的にも非常に大きくて、例えばCPUのコア数は1つ、動作周波数は1GHzでした。製造プロセスは、65ナノメートルプロセスでした。これに対して、Snapdragon 8 Gen 2は、マルチコア化が進み8コア、最大周波数が3.2GHz。製造プロセスは4ナノメートルになっています。さらに、DSP、ISP、マルチコアのグラフィックスコア、AIエンジンなんかも統合されています。今のSnapdragonは、業界用語で言うと「ヘテロジーニアス・コンピューティング・システム・オン・チップ(SoC)」のリーダーであると考えています。
携帯電話の進化は、Snapdragonの進化だと私たちは考えています。これからも皆さんがワクワク、ドキドキするような、いろいろなユースケースで使ってみたいと思えるような携帯電話になるように、Snapdragonをどんどん進化させようと思っています。その進化のために、Snapdragon Insidersというコミュニティーを使っていただきたいと思っています。Twitter アカウントの「@Snapdragon_JPN」、皆さんフォローよろしくお願いいたします。
Twitterキャンペーンを実施、1000人にストラップをプレゼント
Snapdragon Insiders Japanの開始を記念して、Twitterの公式アカウントではキャンペーンを実施している。期間中に@Snapdragon_JPN アカウントをフォローして、対象のツイートをリツイートした人から抽選で1000人に、Snapdragonのロゴ入りストラップがプレゼントされる。
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