Pixelが世界で最も出荷されたのは日本──Counterpoint調べ 徐々に勢いを増す理由は?
香港に拠点を置く調査会社Counterpoint ReserachはGoogleの「Pixel」シリーズに関する調査データを開示した。Pixelシリーズの国内出荷台数が2023年1から3月にかけて34%と世界最多になったという。なぜPixelが日本で勢いを増しているのだろうか?
香港に拠点を置く調査会社Counterpoint ReserachはGoogleの「Pixel」シリーズに関する調査データを開示した。Pixelシリーズの国内出荷台数が2023年1から3月にかけて34%と世界最多になったという。
MM総研が公開している2022年に出荷されたスマホの台数は、Appleが50.4%と首位につき、2位にシャープ(321.3万台、シェア10.8%)、3位にソニー(246.1万台、シェア8.2%)、4位にサムスン電子(243.5万台、シェア8.2%)が続いた。5位のFCNT(240万台、8.0%)の後を追うようにして、6位となったのがGoogle(137.4万台、シェア4.6%)だった。
Pixelが急速に勢いを増す理由の1つに「大幅値引き」が挙がる。2022年には「Pixel 6」と同等の性能を持つTensorプロセッサを搭載しながら低価格を実現した「Pixel 6a」が登場。ソフトバンクが新トクするサポートの適用を条件に24円で販売した。
その当時は大手家電量販店を中心に実質負担額1円や23円など、大幅値引きに関するポスターが目立っていた。
「MNPで他社から乗り換えると一括1円」というような割引手法は、規制の関係で事例が減ったが、Googleと大手キャリアが5月11日に発売した「Pixel 7a」でもキャリアの端末購入プログラム適用後の実質負担額は税込みで2万円台となっており、そのコスパは際立つ。
そんなPixelはハイエンドモデルでも存在感を表しつつある。7月末に発売予定の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」だ。価格は25万円台〜28万円台とコスパが武器ではないことは明白だが、開けば7.6インチ、閉じれば5.8インチという2つのディスプレイに加え、最新のプロセッサ「Tensor G2」による処理能力などが特徴となっている。
プリインストールOSはAndroid 13で、画面分割などを活用したマルチタスクが可能だ。
Pixelが着々と売れるもう1つの理由に日本メーカー2社の撤退が挙がる。京セラが汎用(はんよう)的な個人向け携帯電話事業の撤退を発表し、FCNTとその親会社であるRENOWAホールディング、グループ会社のジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)が民事再生手続きを開始。事実上、携帯電話事業からの撤退を余儀なくされた。
Appleの陰に忍び寄るPixelがコスパを武器に京セラやFCNTの穴を埋めることができるのか見物だ。ハイエンドのフォルダブルが出荷台数の大半を占める可能性は極めて低いが、Pixel 6aやPixel 7aはTensorプロセッサ搭載で5から6万円台を実現し、競合のミッドレンジを打ち負かす可能性は大いにある。
【訂正:7月12日9時56分】初出時、Pixel FoldがAndroid 12 Lをプリインストールしている旨を記載しておりましたが、正しくはAndroid 13となります。お詫びして訂正いたします
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