発売間近の折りたたみスマホ「Pixel Fold」の購入が悩ましいワケ
7月下旬以降の発売を予定しているGoogleの折りたたみスマホ「Pixel Fold」。Galaxy Z Fold 4が画面を開くと縦長なのに対し、Pixel Foldは開くと横長になるという違いがあります。そのGalaxyも、7月下旬に折りたたみスマホの新モデルを発表するようです。
Google初の折りたたみスマートフォンとなるPixel Foldの予約が、日本でも6月20日に開始されました。Google Storeでの価格(税込み)は25万3000円。5月の発表当初、発売は7月中旬以降となっていましたが、予約開始時に7月下旬に変更となりました。なお、Google Storeでの発送予定は、今のところ8月1日〜8月4日となっています。
ここ数年で数が増えてきた折りたたみスマートフォンですが、IDCが発表したレポートによると、2022年の折りたたみスマートフォンの世界シェアは1.2%(1420万台)。世界的に見ても、まだ広く普及しているという状況ではありませんが、2023年には50.5%増の2140万台、2027年には全体の3.5%となる4810万台に達すると予想されています。
そんな中で登場するPixel Foldは、先行するGalaxy Z Fold 4と同じ、左右に開くブック型の折りたたみ端末になっています。似たようなスタイルではありますが、Galaxy Z Fold 4が画面を開くと縦長なのに対し、Pixel Foldは開くと横長になるという違いがあります。また、Galaxy Z Fold 4の表側のディスプレイ(カバーディスプレイ)が2316×904ピクセル(アスペクト比23.05:9)と縦長なのに対し、Pixel Foldは2092×1080ピクセル(アスペクト比17.4:9)で、少し小さめのスマートフォンといった印象です。
本体のサイズも折りたたんだ状態で79.5(幅)×139.7(高さ)×12.1(奥行き)mmとコンパクト。ヒンジ構造に特徴があるようで、Galaxy Z Fold 4と違い閉じた状態で隙間ができません。また厚み自体2〜3mm薄くなっています。
筆者は普段、メインスマホとしてGalaxy Z Fold 4を使用していますが、閉じた状態では細身で持ちやすい反面、厚さがあり「塊を持っている」感が強いです。その点、Pixel Foldはコンパクトで閉じた状態でも普通のスマートフォンとして使いやすそうです。ただ、重さが283gで重量級のGalaxy Z Fold 4よりもさらに20g重くなります。実際に使っていく上で、この重さがどう評価されるのかは気になるところです。
なお、日本でのPixel Foldの発送は前述の通り8月1日〜となりますが、7月26日にはSamsung Electronicsが「Galaxy Unpacked」を開催。次世代折りたたみ端末としてGalaxy Z Fold 5/Flip 5が発表されるとみられます。
海外のニュースサイト「Smartprix」によると、デザインやディスプレイの仕様などはGalaxy Z Fold 4から大きな変更はないものの、ディスプレイの折り目部分は、折りたたんだときの隙間がなくなる水滴型を採用するとのこと。これにより、ディスプレイの折り目も目立たなくなるはずです。また、SoCがSnapdragon 8 Gen 2になるのが主なアップデートとなります。
この他、カメラは50MPの広角に12MPの超広角、12MPの望遠という3眼仕様に。望遠が10MPから12MPに変更になる以外は、こちらも大きな変更はなさそうです。
全体的にマイナーアップデートという感じですが、折りたたみ端末で先行しているSamsungだけに、その完成度は期待できます。一方で、Pixel Foldに関してもハードウェア的な完成度は期待が持てますが、Pixelシリーズは発売直後にソフト的な不具合が頻発する傾向にあるので、Pixel Foldがどうなるのかは心配なところです。
ただ、Galaxy Z Fold 5が7月末に発表されたとして、日本で発売されるのは例年通りだと10月〜11月頃になるものと考えられます。また、Pixel 8も同じような時期に発表されるはずです。うわさレベルではありますが、Android Authorityによると、カメラ性能の向上に加えて、これまでのPixelには欠けていたUSBポートからの映像出力(DisplayPort Alt Mode)にも対応するとのこと。
このタイミングで約25万円のPixel Foldを購入するべきなのか、非常に悩ましいのですが、これまで折りたたみ端末に興味はなかったものの、Googleの出すデバイスなら気になるという人や、取りあえず新しいものにはいち早く触れてみたいという人は買ってみても後悔はしないかもしれません。既にドコモ、au、ソフトバンクなどのショップにホットモックが置かれているようなので、実際のサイズ感を確認してみてから注文(予約)をするのもいいでしょう。
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